発達心理学的な用語で言うと、中年期(だいたい40代以降)の80%くらいが「中年の危機」を迎え、心身ともに不安定になるのだそうです。たしかに体力も記憶力も集中力も瞬発力も10代20代のころに比べると、正直落ちていますね~(^^;)。
でも、大きく違うのは「そういう自分をきちんと意識して生活するようになっている」ことなんですね。
現在の自分をきちんと意識して、それなりの向き合い方をしている、ってところが10代20代にはないところだと思うのです。だから、ユングはこの中年期以降こそ「個性化」が始まる時期、とも呼んでいるわけなんです。
10代20代で叫んだり、もがいていた、「個性」とか「自分流」がその後の人生で消えたり浮かんだりしながらしながら中年まで転がってきて、その熱い想いを自分で制御できるようになって、初めて「個性化」される、とでも申しましょうか。
こういう考え方って、「そうか、これからなんだ」なんて、妙にがんばれる(^^;)自分になったりしますよね。
なんで、こんなことを思ったのかというと、「グーグーだって猫である」という映画に主演するキョンキョン-小泉今日子さんのこんな言葉を目にしたからなんです。キョンキョンらしいとてもステキな言葉だったので、そのまま載せておきます。
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私自身これまで、生きることが少し怖いと感じていたところもありました。でも40歳になって「人生、折り返しですね」と言われた時に、「なるほど!これからは一回来た道なんだ」って。怖いから目一杯走ってきちゃったけれど、ゆっくり景色を見ながら、来たところに戻ればいいという気分になってからの方がやっぱり人生おもしろいし、だからこそ麻子さんを演じることは、私にとってとても楽しい時間でした。
(8/28朝日新聞・朝刊より)
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※麻子さんは映画の主人公
「折り返しですね」って言った人は、話の流れでなにげなく言ったのかもしれないけれど、ひょっとしたらキョンキョン自身が心の中で、「自分のこれから」に出口を見つけたい、落しどころが欲しいと思い続けていて、それがこの一言で化学反応をおこして、「ゆっくり景色を見ながら、来たところに戻ればいいという気分」という、ステキな言葉になったのかもしれないな、と私は感じたのです。
同じ言葉に「そうね、あと半分しかないのね~」とか「残りの人生がんばらないとね~」なんて考え方もあるわけで、そういう考え方もアリですが、それでは死ぬまで「未知との遭遇」になってしまいますよね。「未知との遭遇 OK!」ってヒトもいるかも知れませんが、やはり大部分のヒトは「死ぬまで未知との遭遇は、ちょっと。。」ってハズ。しかも体力・記憶力・集中力・瞬発力は衰えていくしねぇ(^^;)
何歳で折り返すかは、ひとそれぞれだけれど、折り返して、それまで見逃していた景色を今度はじっくりとしっかりと味わって眺めて、消えかかっていた「自分流」を掘り起こしたり、そのままになっていた土地に「経験」という名の種を撒きなおしたりしながら、元の場所に戻っていけばいい。
この考え方って男女問わず誰にでも優しくてちっとも無理がないですよね。なによりステキだなと感じるのは「自信をもっていいんだよ」というメッセージが込められていることだと、私には感じられるのです。
自分の人生を戻る楽しみは自分にしかわからない。だって「これからは一回来た道なんだ」から、って。
でも、大きく違うのは「そういう自分をきちんと意識して生活するようになっている」ことなんですね。
現在の自分をきちんと意識して、それなりの向き合い方をしている、ってところが10代20代にはないところだと思うのです。だから、ユングはこの中年期以降こそ「個性化」が始まる時期、とも呼んでいるわけなんです。
10代20代で叫んだり、もがいていた、「個性」とか「自分流」がその後の人生で消えたり浮かんだりしながらしながら中年まで転がってきて、その熱い想いを自分で制御できるようになって、初めて「個性化」される、とでも申しましょうか。
こういう考え方って、「そうか、これからなんだ」なんて、妙にがんばれる(^^;)自分になったりしますよね。
なんで、こんなことを思ったのかというと、「グーグーだって猫である」という映画に主演するキョンキョン-小泉今日子さんのこんな言葉を目にしたからなんです。キョンキョンらしいとてもステキな言葉だったので、そのまま載せておきます。
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私自身これまで、生きることが少し怖いと感じていたところもありました。でも40歳になって「人生、折り返しですね」と言われた時に、「なるほど!これからは一回来た道なんだ」って。怖いから目一杯走ってきちゃったけれど、ゆっくり景色を見ながら、来たところに戻ればいいという気分になってからの方がやっぱり人生おもしろいし、だからこそ麻子さんを演じることは、私にとってとても楽しい時間でした。
(8/28朝日新聞・朝刊より)
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※麻子さんは映画の主人公
「折り返しですね」って言った人は、話の流れでなにげなく言ったのかもしれないけれど、ひょっとしたらキョンキョン自身が心の中で、「自分のこれから」に出口を見つけたい、落しどころが欲しいと思い続けていて、それがこの一言で化学反応をおこして、「ゆっくり景色を見ながら、来たところに戻ればいいという気分」という、ステキな言葉になったのかもしれないな、と私は感じたのです。
同じ言葉に「そうね、あと半分しかないのね~」とか「残りの人生がんばらないとね~」なんて考え方もあるわけで、そういう考え方もアリですが、それでは死ぬまで「未知との遭遇」になってしまいますよね。「未知との遭遇 OK!」ってヒトもいるかも知れませんが、やはり大部分のヒトは「死ぬまで未知との遭遇は、ちょっと。。」ってハズ。しかも体力・記憶力・集中力・瞬発力は衰えていくしねぇ(^^;)
何歳で折り返すかは、ひとそれぞれだけれど、折り返して、それまで見逃していた景色を今度はじっくりとしっかりと味わって眺めて、消えかかっていた「自分流」を掘り起こしたり、そのままになっていた土地に「経験」という名の種を撒きなおしたりしながら、元の場所に戻っていけばいい。
この考え方って男女問わず誰にでも優しくてちっとも無理がないですよね。なによりステキだなと感じるのは「自信をもっていいんだよ」というメッセージが込められていることだと、私には感じられるのです。
自分の人生を戻る楽しみは自分にしかわからない。だって「これからは一回来た道なんだ」から、って。