恋愛小説:巡り合い<序章>
恋の奏でる旋律は、生と死を求めた、あの時からはじまった。
「=恋=」とは、成熟し結婚へ結ばれるものではなく、単なる通り道に過ぎないもの。
愛することではなく、愛しく思う事もなく、ただ理想を求めていくものだろう。
「=初恋=」とは初めての恋、どうして良いのかわからないもの。
学生時代は、「=恋=」や「=愛=」など感じる事も知る事もない。
幸せ、幸福とは何かなど感じる事も考える事もない。
ただ思うがまま生きていくだけだった。
人を傷つけ、誹謗中傷し否定し、信じられるものは自分だけであった。
人を愛する事など、どういう意味なのか知る事も考える余裕もなかった。
2人が「恋」「愛」を知ったのは、両親から離れ専門学校へ入学し卒業後である。
そして「幸福」を知ったのは交際が続き、さらにずっと先の事であった。
同じ思いを持つ同志のようで謙虚で理想が高く、自分など足元に及ばない彼女であった。
彼の名前は「駿河聖志(するがきよし)」初めての恋を教えてくれた彼女の名前は「野村葉月(のむらはづき)」であった。
葉月は、聖志の事を、自分よりも理想が高く能力もあり、優れた人間と思っていた。
2人は同じような思いが恋を奏でていたのかもしれない。
専門学校は、2年制であり通常2年で皆卒業をしていくが能力が高い学生は選ばれ、さらに2年間学校へ残り4年後の卒業となり、その先は待遇の良い企業へと就職となる。
2人の恋は「=初めての恋=」で、相手を見定める事もできない。
ただ、当時の思いのまま、聖志と葉月の交際が始まり同棲生活を送る事になる。
聖志と葉月は、四年間専門学校へ残った、もちろん他にも数人の男子が専門学校へ残ったが、女子では葉月一人だけであった。
他の男子学生達は、聖志と葉月は交際している事を知っていたが、男子学生の中には、片想いで葉月の事を思う学生もいた。
葉月は聖志との交際し同棲生活が続くと「恋」というよりは「愛」へと変わっていた。
愛へと変わった2人の思いは「男女の関係」によって結ばれていく。
そして人生の巡り合いとは、夢なのか?奇跡なのか?運命なのか?
しかし、聖志と葉月の同棲生活からすれ違いによって、離ればなれになったが、2人の思いは変わりはなかった。
そして、時が過ぎると、いつの日か再会し本当の愛に気づき本当の幸せが訪れる。
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