『失われた時を求めて』岩波文庫版3巻はスワンとオデットの娘・ジルベルトと、この物語の語り手の少年が友達になり、親公認で付き合うようになったものの仲違いして別れるまでの事が書かれています。
語り手はジルベルトとともにその母親であるオデットにも女性として意識しているきらいがあります。おばさんの遺品の銀食器を売ってスワン夫人に花束を買っていったりしています。スワン夫人は東洋趣味があって日本の着物を部屋着にしたり、中国の陶器やランプを飾ったり、蘭や菊を育てていました。
この時代に「温室花壇」と呼ばれるものがあったようです。温室といっても原題のようなビニールハウスではなく、持ち運びできる桶のようなものに植木鉢を入れて、おそらく電気の熱と光で冬でも花を咲かせていたのだと思います。まだ電気がそれほど普及していない時期で、サロンに集う奥様の中には知り合いのお宅が全ての部屋に電灯がついた…なんて話題になっていました。いわば富の象徴だったのですね。
オデットのサロンに招かれた年配の女性が、菊は日本の花だから日本風に活けなければいけないと忠告するのですが、周りにいた別の友達がオデットの菊はむしろ素敵だと褒めるシーンがありました。オデットがどんなふうに菊を活けたのかちょっと興味がわきますね。
キク科のハーブはカモミールやコーンフラワーなどいろいろありますが、中国では生薬として扱われている菊もあるようです。肝臓の熱を鎮め、頭痛や目の充血、高血圧などを抑えると言われています。
語り手はジルベルトとともにその母親であるオデットにも女性として意識しているきらいがあります。おばさんの遺品の銀食器を売ってスワン夫人に花束を買っていったりしています。スワン夫人は東洋趣味があって日本の着物を部屋着にしたり、中国の陶器やランプを飾ったり、蘭や菊を育てていました。
この時代に「温室花壇」と呼ばれるものがあったようです。温室といっても原題のようなビニールハウスではなく、持ち運びできる桶のようなものに植木鉢を入れて、おそらく電気の熱と光で冬でも花を咲かせていたのだと思います。まだ電気がそれほど普及していない時期で、サロンに集う奥様の中には知り合いのお宅が全ての部屋に電灯がついた…なんて話題になっていました。いわば富の象徴だったのですね。
オデットのサロンに招かれた年配の女性が、菊は日本の花だから日本風に活けなければいけないと忠告するのですが、周りにいた別の友達がオデットの菊はむしろ素敵だと褒めるシーンがありました。オデットがどんなふうに菊を活けたのかちょっと興味がわきますね。
キク科のハーブはカモミールやコーンフラワーなどいろいろありますが、中国では生薬として扱われている菊もあるようです。肝臓の熱を鎮め、頭痛や目の充血、高血圧などを抑えると言われています。
失われた時を求めて(3)――花咲く乙女たちのかげにI (岩波文庫) | |
クリエーター情報なし | |
岩波書店 |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます