12月も、はや3分の1が過ぎて街路樹の銀杏はこないだまで緑が混じっていたものがまっ黄っ黄。ウチの冷蔵庫の野菜室も色づき始めた(もともと見切り品だから足が早い)。天ぷらにして使い切ろう、だったら油を使うんだから鶏を唐揚げにしよう。天ぷらと唐揚げは、「類」は違えども同じ揚げ物であるから「種」は同じ。油の入った鍋を使って連続して作れる。ということで実行。
その油のことだが、例によって前回の残り油を廃油缶に戻したヤツを使うのだが、キャラメル色が相当濃くなってきて、食した日の夜中、胃の不快感で目がさめることもある。そろそろ限界のようだ。捨てよう……などという発想は私にはない。使い切ろう、である。すなわち、これまで減った分だけ新しい油を足して量を維持してきたが、足すのをやめた。すると、だんだん食材全部が油に浸からなくなってきた。どこかで見た光景だと思ったら私のお風呂の様子である。お湯をけちって15㎝しかはらないから体の半分が湯上に出ているのである(半身浴。これはこれで健康に良いとも聞く)。だから、ときどき体を回転させて体全部がお湯に浸かるようにする。同様に、油の中の具材もときどき回転させて全部が揚がるようにする。これで十分である。そして、ついに油を使い切った!次回からは「澄んだ」油で揚げられると思うと感無量である。
「ごはんだよー」に出演した某料理家も、NHKの人から油をあまり使わないように、と言われたそうで、頭の出た具材に一生懸命油をかけていた。
ただし、少ない油で揚げ物をすると、火が出るおそれがあるそうだ。だから、ずっと、横にはりついていなければならない。
なお、私が揚げ物に使っている鍋は、コレ。
金属製だし大きさが一人用にちょうどいい。だが、もともと何用の鍋かは不明である。以前は、レトルトカレーを湯煎するために使っていた。
因みに、石川五右衛門は、一族郎党もろとも秀吉によって釜ゆでの刑に処せられたが、そのときは熱湯ではなく油を使ったそうである。人間素揚げである。中には五右衛門の年端もいかない子供も含まれていたそうである。子供と言えば、信長が浅井を討ったとき、秀吉に命じて、浅井の長男の万福丸を串刺しにした。釜ゆでといい、串刺しといい、残虐刑を絶対に禁止する現在の日本国憲法から見れば許されざる行為である。そう言えば、故西田敏行が秀吉を演じた「女太閤記」で、万福丸を「串刺しにしたあ」とあっさり言う前田吟演じる蜂須賀小六に対して西田秀吉が「なんてことを」と言って嘆くシーンがあった。私は、主人公を「心優しき善人」にしておきたい脚本のあざとさを感じたものであった。
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