山本周五郎 朗読『さぶ』2-3
YouYubeチャンネル「朗読レター」は、
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『さぶ2-3』あらすじ
https://www.macedoniansincanada.com/sabu2-3/
"さぶ"は"おのぶ"のことを好きになったので、何かと口実を作って手土産を買っていきます。
しかし、"おのぶ"に直接渡す勇気がない"さぶ"は、"栄二"に頼んで渡してもらっていました。
ある日、"栄二"は"さぶ"に手土産の包みを返します。「小僧じゃないんだから、これからは自分で渡せ」と。
"さぶ"は自分で渡すことができません。その上、自分が"おのぶ"のことが好きなのを"おのぶ"本人も気づいているとわかり、気持ちが沈みました。
「すみよし」を出た2人。しばらく歩くと、"さぶ"が堀の角で急に立ち止まって言いました。
「今夜は栄ちゃんに話があったんだよ」・・・
どうやら"さぶ"はおのぶが好きになったらしく
「もういいだろう」
「十七や十八の小僧じゃあねえ、これからは自分でやれよ」
「わかってるだろう」
「おれにはできやしないよ」
「のぶ公は知ってるんだぜ」
「おれが云ったんじゃあねえ、のぶ公が自分で勘づいたんだ、あんたはこんなことしてくれる人じゃないって、おれは面と向って云われちまった、いいつらの皮さ」
「いつのことだ」
「このまえのとき、おめえが手洗いに立ったあとでよ」
今夜は栄ちゃんに話があったんだよ
「こんな堀っ端でどうするんだ、風邪をひいちまうぜ」
「和助あにいは店を持った」
「栄ちゃんもそのうちに店を持つだろう、けれどもおれはだめだ」
「そんな話は帰ってからにしろよ」
「おら、思うんだが」
「どうせゆく先に望みがねえんなら、いっそいまのうちに、職を変えるほうがいいんじゃねえだろうか」
「ばかなことを云うな、おめえほど糊の仕込み上手な者はほかにいやあしねえ、親方がいつもそう云ってるのは自分でも聞いて知ってるじゃねえか」
「栄ちゃんはいつか、糊の仕込みで日本一になれば、それで立派な職人だと云ってくれた、そのとおりだろう、その場かぎりの慰めじゃあねえだろうが、糊作りだけじゃあ自分の店は持てやしねえ、よくいって一生涯、芳古堂の飼いごろしじゃあねえか」
話ってなあそのことか
「にんげんは一寸さきのことだって、本当はどうなるか見当もつきあしねえ、まして五年さき十年さきのことなんか、神ほとけにだってわかりゃあしねえだろう、けれどもな、おめえがそう云うからおれの気持も聞いてもらうんだが、このまま順当にゆくとして、もしもおれが自分の店を持つようになったら、おめえといっしょに仕事をしようと考えているんだ」
「どんな店が持てるかわからねえが、二人でいっしょに住み、おめえの仕込んだ糊でおれが表具でも経師でも、立派な仕事をしてみせる、お互いにいつか女房をもらうだろう、そして子供もできるだろうが、それからも二人ははなれやしねえ」
「いつまでも二人でいっしょにやっていって、芳古堂に負けねえ江戸一番の店に仕上げるんだ、おれはこう考えているんだが、おめえはどう思う、おれとやるのはいやか」
山本周五郎 『さぶ』2-3を朗読した感想
山本周五郎『さぶ』の朗読は、毎回初見です。
"さぶ"は"おのぶ"のことを好きになってしまいましたね。
この恋は実るのでしょうか。今後の展開を楽しみに朗読していこうと思います。
あなたの感想もぜひ、YouTubeチャンネルのコメント欄で教えてください。
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