働き方改革関連法ノート

厚生労働省の労働政策審議会(労政審)労働条件分科会や労働基準関係法制研究会などの議論に関する雑記帳

残業計算の基礎賃金が違う!

2016年12月20日 | 労働基準法改正
残業代のトラブルでは勤務時間数(労働時間数)の数字が会社側と社員側では違っているということが一番多いかと思いますが、残業代計算のための基礎賃金が違っているという問題もあります。

当然、基礎賃金が違っていると残業代(割増賃金)も違ってきます。それが1年、2年もの間、違うとなれば、大きな金額にもなります。

どこから、そういう相違が出てくるのかと言えば、残業代の計算に基本給は入れていても手当は入れていないというケースがあります。

残業代(割増賃金)の基礎から除外できる手当は限られている
残業代計算の基礎賃金から除外できる手当は、労働基準法本文ではなく施行規則の中に記載されています。

労働基準法施行規則第21条
法(労働基準法)第37条第5項の規定によって、家族手当及び通勤手当のほか、次に掲げる賃金は、同条第1項 及び第4項 の割増賃金の基礎となる賃金には算入しない。

 1  別居手当
 2  子女教育手当
 3  住宅手当
 4  臨時に支払われた賃金
 5  一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金


この規定に基づいて、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当は残業代算定の基礎から除外できます。しかし、これらは手当の名称ではなく、実態から判断されます。次のようなケースでは除外することができません。

基礎賃金から控除できる手当でも実態により認められないケース
・家族手当が、扶養家族数に関係なく定額で支給される場合、独身者にも支給されている場合。

・通勤手当が、一定額までは距離にかかわらず定額支給される場合には、一定額の部分は通勤手当に該当しない。

・住宅手当が住宅以外の要素に応じて支給している場合、一律に定額で支給している場合(賃貸や持ち家といった住宅の形態ごとに分けて支給する場合も含まれる)。
い。


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