新「廊下のむし探検」

大阪北部のマンションの廊下で見つけた虫の名前を調べています

家の近くのむし探検 川の土手

2019-04-25 19:59:23 | 家の近くのむし探検
家の近くのむし探検 第4弾


今日は不思議と暇があり、それでもう一日分、虫の写真の整理をしました。4月17日にいつもの川の土手に行ってみました。そろそろ虫がいるかなと思って。マンションの廊下を歩くと虫はたくさん見つかるのですが、外ではまだまだという感じがします。この日もそれほどたくさんは見られませんでした。





まずはタンポポに来ていたこんな甲虫です。たぶん、モモブトカミキリモドキ



川から水を引いている用水路脇に作業小屋が建っています。その壁にガガンボが止まっていました。胸の模様からいかにもホソガガンボ属 Nephrotomaという感じです。ホソガガンボ属については過去にも調べたことがありました。その時はcornicina(エゾホソガガンボ )subpallidaになったのですが、今回はどうやらこれらとは違うようです。それで、このときに撮った写真を使って少し調べてみることにしました。

P. Oosterbroek, "The Nephrotoma spieces of Japan (Diptera, Tipulidae)", Tijdschr. Entomol. 127, 235 (1985). (ここからダウンロードできます)

この論文に種の検索表が載っています。それを使って調べてみました。



検索表で調べてみると、どうやらvirgata(キイロホソガガンボ)であることが分かりました。この表は検索の過程を翻訳したものですが、これらを写真で確かめていきたいと思います(この間購入した「昆虫学辞典」が大いに役に立ちました)。ただし、後で示すようにこのガガンボは♀なので、検索表は♀の記述に限って書いています。



写真がはっきりしないのですが、何とか数えていくと触角は全部で13節ありそうです。



中央背板というのは後胸なのですが、その中央には黒い帯が入っています。



翅脈では、Rs脈がm-cu脈より短いのでホソガガンボ属は確かだと思われます。ここではさらに縁紋がほとんど見えないくらい薄い色であることを見ます。



最後は腹部末端です。こんな形をしているのは♀ですが、尾角の先端が丸くなっていることが分かります。さらに、最初の写真を見ると腹部背板に三角形状の斑紋がかすかに見えます。こんなところから、キイロホソガガンボ♀だろうと推定しました。



次はヒゲナガカワトビケラですが、最近、チャバネとの区別が気になってきています。前脚の距の数を数えないとよく分かりません。



「原色川虫図鑑成虫編」の図版と比べてみると、アルタイヤマトビケラに似ている感じですが、よくは分かりません。



これはたぶんアカハラクロコメツキ



そして、これはナカジロサビカミキリ



土手にいた虫はこんなところだったのですが、帰りに作業小屋にトンボが止まっているのに気が付きました。羽化したてのようです。模様からダビドサナエかなと思ったのですが、だんだん近づいていって撮ろうとしたら逃げられてしまいました。



最後はマンションの窓枠に止まっていた蛾で、ケンモンキリガだと思われます。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿