昨日の続きで♂有翅アリの検索です。昨日はヤマアリ亜科まで調べたので、今日は属の検索です。今頃、マンションの廊下にたくさん来ています。
検索表は「日本産アリ類画像データ」に載っています。
⑦頭部正面から見て,大顎は鎌状ではない;体色は上記のような2色性(触角,脚,大顎,そして生殖器は他の部位に比べて明らかに明色(白から淡黄色))を示さない
⑧触角は13節
⑨中胸側板表面には鱗状の彫刻がある;触角柄節は長いまたは短い
⑩前伸腹節の気門はほぼ円形
⑪後胸側腺の開口部は明瞭で,その周辺には密な毛がある ケアリ属(ケアリ亜属、キイロケアリ亜属、アメイロケアリ亜属)
検索の結果、ケアリ属になったのですが、それに必要な項目だけ書き出すと以上のようになります。これを顕微鏡写真で確かめていきます。
最初は⑦で体色の問題です。これはサムライアリ属を除外する項目なので、まず大丈夫でしょう。
サムライアリ属は鎌状の大顎を持っているのでこれも大丈夫でしょう。
次は触角の節数です。全部で13節でした。これで⑧は大丈夫です。⑨の柄節の長さはどちらでもよいので無視します。
⑨の中胸側板を写したものですが、表面には鱗状の彫刻があります。これはアメイロアリ属を除外する項目ですが、大丈夫そうです。
最後は⑩と⑪ですが、前伸腹節気門は丸く、また、後胸側腺の開口部は明瞭で周囲には毛が生えています。ということで検索の結果、ケアリ属になりました。検索表ではケアリ属の中でもクサアリ亜属を除くので、ケアリ亜属、キイロケアリ亜属、アメイロケアリ亜属になります。日本産はそれぞれ5種、3種、3種なのですが、体色から後2亜属は除けるかもしれません。となると、ケアリ亜属のトビイロケアリ、ハヤシケアリ、ヒゲナガケアリ、カワラケアリ、ヒメトビイロケアリがあるのですが、どれも近畿地方に生息し、さらに似ているのでここからは大変かもしれません。
ついでに翅脈にも名称をつけてみました。羽アリの翅脈については以前調べたことがありました。これを参考にしてつけてみたのですが、次の論文に載っている分類だとIIIdという部類に入るようです。
K. S. Perfilieva, "Trends in Evolution of Ant Wing Venation (Hymenoptera, Formicidae)", Zoologicheskii Zhurnal 89, 965 (2010). (ここからダウンロードできます)
検索表は「日本産アリ類画像データ」に載っています。
⑦頭部正面から見て,大顎は鎌状ではない;体色は上記のような2色性(触角,脚,大顎,そして生殖器は他の部位に比べて明らかに明色(白から淡黄色))を示さない
⑧触角は13節
⑨中胸側板表面には鱗状の彫刻がある;触角柄節は長いまたは短い
⑩前伸腹節の気門はほぼ円形
⑪後胸側腺の開口部は明瞭で,その周辺には密な毛がある ケアリ属(ケアリ亜属、キイロケアリ亜属、アメイロケアリ亜属)
検索の結果、ケアリ属になったのですが、それに必要な項目だけ書き出すと以上のようになります。これを顕微鏡写真で確かめていきます。
最初は⑦で体色の問題です。これはサムライアリ属を除外する項目なので、まず大丈夫でしょう。
サムライアリ属は鎌状の大顎を持っているのでこれも大丈夫でしょう。
次は触角の節数です。全部で13節でした。これで⑧は大丈夫です。⑨の柄節の長さはどちらでもよいので無視します。
⑨の中胸側板を写したものですが、表面には鱗状の彫刻があります。これはアメイロアリ属を除外する項目ですが、大丈夫そうです。
最後は⑩と⑪ですが、前伸腹節気門は丸く、また、後胸側腺の開口部は明瞭で周囲には毛が生えています。ということで検索の結果、ケアリ属になりました。検索表ではケアリ属の中でもクサアリ亜属を除くので、ケアリ亜属、キイロケアリ亜属、アメイロケアリ亜属になります。日本産はそれぞれ5種、3種、3種なのですが、体色から後2亜属は除けるかもしれません。となると、ケアリ亜属のトビイロケアリ、ハヤシケアリ、ヒゲナガケアリ、カワラケアリ、ヒメトビイロケアリがあるのですが、どれも近畿地方に生息し、さらに似ているのでここからは大変かもしれません。
ついでに翅脈にも名称をつけてみました。羽アリの翅脈については以前調べたことがありました。これを参考にしてつけてみたのですが、次の論文に載っている分類だとIIIdという部類に入るようです。
K. S. Perfilieva, "Trends in Evolution of Ant Wing Venation (Hymenoptera, Formicidae)", Zoologicheskii Zhurnal 89, 965 (2010). (ここからダウンロードできます)
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