RSM MBA Life

オランダロッテルダムにあるRSM Erasmus UniversityのMBA Programに通う学生達の日記。

Private Equity

2012-12-22 01:01:50 | MBA13全般
MBAに人気の業種にファイナンスがありますが、その中でも人気があるのが投資銀行とPrivate Equity(PE)だと思われます。

そのうちPEはその名の通り上場していない未公開株に投資、あるいは上場している企業を買収して非上場にして、その後投資先の企業価値を高めて売却ないし再上場(IPO)して高いリターンを獲得すると言う業態・ビジネスモデルを指します。

運営会社の考え方にもよりますが、一般的にPEは単に投資するだけではなく投資先の経営にも深く関わることができ、その点でもポストMBAとして人気を集めているのだと思います。

私もPEには関心があったので受講しましたが、予想通り人気の授業で定員一杯でした。


個人的にはPEの授業では、投資基準だけでなく投資の実務やPEファンドと投資先のコミュニケーション、どのように現場に入っていくのか、というテーマを期待していたのですが、前半は企業価値の算定に重点が置かれ、DCFなど企業価値の計算の仕方や財務分析に必要な指標についての説明が中心で普通のファイナンスの授業、という感じで物足りなく感じていました。

しかし後半は実際のPEの実務家を招いてそのPEの業務・投資案件について説明を受けることができ、また彼らの前でプレゼンをするケースもあり、自分が求めていた情報に触れることができました。
このクラスでもチームを組んでプレゼンを行うのですが、チームによっては実際にプレゼンするケースの投資先のお店を訪れて業務の実態を見てきて改善案を提案していたりもして、結構実践的な内容でした。



最後の授業ではチームごとにPEとして投資すべき企業を選んで、その企業をどのように買収し、企業価値を高めた上で投資を終了してリターンを生むかをプレゼンしました。


PEの授業にはMBAの学生のほか、MBAの卒業生も何人か参加していました。
そして私のチームはMBA2人と卒業生3人という面白い構成になりました。

最終プレゼンもチームで行うのですが、卒業生は仕事が忙しいという事情もあって、図らずもこのタイミングで今年初めてチームをリードすることになりました。

幸いターゲットとする企業は卒業生のメンバーが提案してくれていたので、その企業の事業展開や市場の展望、株価の動向、買収に必要な金額及びその調達、見込まれる収入とコストなどについてプレゼンの構成を決め、自分でできるところは自分で作りつつ、必要に応じてほかのメンバーに割り振っていきました。

一番手のかかるファイナンスのモデリングは自分が担当。
実はこの手の作業をしたことがないのですが、一番学ぶべき点でありますし、今後活かす機会も多いだろうと考え自分でやりきってしまうことにしました(ほかのメンバーの負担軽減にもなるため)。

ファイナンスのモデルについては、まず現在の時価総額を基に買収価格を想定し、それに対してどのような方法で資金調達を行うかを考えました(バイアウトファンドに対する投資、銀行からの融資、債券の発行)。

そして各資金調達の方法に対して資金調達コストを仮定し、WACC(加重平均資本コスト)を計算し、想定されるシナリオにおける収益を割り引いたりしてどの程度リターンを得ることができるのかを考えました。


自分の仮定や計算が妥当かどうか不安ではありましたが、とにもかくにもモデルを作り上げ、他のパートとくっつけてプレゼン資料を完成させることができました。



そしていよいよ最終回。この日は全てのチームがプレゼンを行いました。
我々のチームは最後だったのですが、各チームのプレゼン及び質疑応答が予定より長引き、我々のプレゼンが始まるときは既にお昼休みに入っていました(汗)
そのためクラスメイトはほとんど教室を離れていて、プレゼンのプレッシャーが小さかったのはありがたかったです。

プレゼンについてもこちらで割り振っていて、私はモデリングの説明を行いました。
モデリングこそがプレゼンの肝なので質疑応答が集中することも予想していましたが、全て覚悟の上でした。

そして予想通り質問はこの部分に集中。
時間がないこともあり質問自体は少なかったですが、脇の甘い点を鋭く指摘され、大変勉強になりました。

結果としてリーダーシップとモデリングという貴重な経験をすることができて大変有意義な授業でした。




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