【キャンドルスティック・パークのコンサート(1966.08.29)】
1966年 8月29日、ビートルズはその年のUSツアーをサンフランシ
スコで終えようとしていた。4人はキャンドルスティック・パークで
「いつもの」コンサートを行った。
この時の模様をツアーに同行していたトニー・バーロウ氏がテープ
で記録していたという。サンフランシスコ入りした時にバーロウ氏は
ポールからこう尋ねられた。
ポータブル・カセットレコーダーは持ってきたの?
今日のファイナル・コンサートをそれで録音してくれないかな?
この頃、ビートルズがコンサート活動に嫌気がさしていた話は有名
である。特にジョンとジョージはその思いが強かった。このことを、
バーロウ氏は知っていたので、「ファイナル」というポールの言葉に
対する意味を、あれこれと類推した。ポールが録音を依頼した真意は
不明であるが、「結果的に最後となったコンサートの模様」が克明に
記録されているのは事実である。
1966年 8月29日午後 9時30分前、4人がフィールドを横切って登場
すると、すぐさま楽器のセッティングを確認する。ギターのチューニ
ング音と“Hello!”の声が会場に響き渡る。スタンドからは大音量の
絶叫が聞こえる。
突然ジョンが‘Rock And Roll Music ’の冒頭の「E7」をカジノ
でかきならす。1曲目が終わるやいなや、ポールのカウントで2曲目
‘She's A Woman ’に移行する。このあたりは日本公演と同じ展開だ。
2曲目が終わると、ポールのMCである。
みんな、ありがとう! こんばんは! 次の曲はジョージが書い
たんだ。・・・って驚くことじゃないよね。アルバムの“RUBBER
SOUL”からの曲、‘If I Needed Someone ’!
アメリカの“RUBBER SOUL ”では、「恋をするなら」は収録されて
いなかったので、厳密に言えばポールのMCはミスである。しかし、
そんなことはどうでもいいよね。正確な記述を求めるあなたのために。
アメリカでは‘If I Needed Someone ’は“YESTERDAY AND TODAY ”
に収録されたんだっけ。
ジョージのヴォーカルが終わると、MCはジョンだ。
みんな、ありがとう! さあ、サクサク続けていくよ。みんなで
ひとつになってね。次はシングルB面の曲。えっと、ずいぶんと
前になるかな。「ちょい悪レディ」の歌。‘Day Tripper ’!
‘Day Tripper ’が終わると、間を入れず‘Baby's In Black ’。
一本のマイクをシェアしながら熱唱するジョンとポール。曲が終わる
と、ジョージの冷静なMC。
どうも、ありがとう。次の曲はずいぶん前の曲だね。録音したの
は、なんと1959年。タイトルは‘I Feel Fine ’。
「1959年」とは、言うまでもなくビートルズ流のジョークだ。曲が
終わると、ジョージのMCが続く。
ありがとう。次はアルバム“YESTERDAY AND TODAY ”からの曲だ
けど、シングルも出ていたね。ポールが歌うとてもイケている曲
‘Yesterday ’です。
大歓声の中、ポールがリンゴにサインを出す。
さあ、リンゴのソロだよ。準備はいいかい? ちょっと肌寒いね。
次の曲はこのツアーを支えてくれた素晴らしいスタッフのみんな
からのリクエストです。タイトルは‘I Wanna Be Your Man ’。
歌はもちろん・・・リンゴ~!
嵐のような大歓声の中、歌い終わったリンゴに対して3人が賛辞を
送る。さて、ジョンのMC。
リンゴ~、よかったよ! さて。BBC(!?)のアルバムから
もう一曲。“He's A Real Nowhere Man, Sitting In His Nowhere
Land・・・”オー・イェー!
‘Paperback Writer’を演奏する前に、女の子がステージに向って
乱入する。ポールがこれを見つけ演奏はしばし中断される。ポールが
コメントする。
次の曲にいきたいんだけど、ちょっと待っててね。どうなるのか
見ていようよ。
騒動が静まると、ポールがMCを再開する。
次の曲は‘Paperback Writer’です。
曲が終わると、ポールはこのように続けた。
今日、みんなに会えて本当にうれしいよ。この潮風だって最高さ!
ちょっと肌寒かったのは残念だけどね。次の曲ではみんなも参加
してね。手拍子でもいいし、いっしょに歌うのもいいね。歌えな
い人はおしゃべりでいいし・・・。とにかく何でも好きなことを
して盛り上がろう! いいかな? タイトルは・・・。
ここでポールの声が小さくなり何かつぶやく(“Good Night~”で
あろうか)。と同時に‘Long Tall Sally ’の演奏が始まる。
バーロウ氏によれば、“LAST LIVE SHOW”は60分テープで録音した
とのことである。従って「のっぽのサリー」の最後の部分でテープが
終了してしまったらしい。
この「世紀のイベントを記録したテープ」がその後どうなったのか
気になるところであろう。この直後に、オリジナルから1本ダビング
され、ポールの手に渡ったそうだ。オリジナルは、バーロウ氏の手に
よって保管されている。その後ポールは、ダビングされたテープの存
在をすっかり忘れ、1986年に再度バーロウ氏からダビングされたもの
を受け取っているという。
そして、現在・・・。どうなっているのだろう。聴きたいなぁ。
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余談ですが66年ライブつながりで。
客席から録音した日本公演7月1日夜の部は「南1階E20」の席で6ミリオープンテープで35分録音されましたが完全でMCもしっかり聞き取れるらしいです。でも公には聞けませんが、、、
結局、66年度にフルで録音されているのは日本公演1~3までという事です。
なおポールの「ちょっと肌寒いね」→It's a bit chilly が聞こえますので当該コンサートのテープかも知れませんね。う~ん…。
いつも貴重な情報をご提供いただき、ありがとうございます。
日本公演7月2日の演奏(できれば映像も)を
聴いてみたいとずっと思っていますが
たぶん、ソースは存在しないのでしょうね。
たいへん失礼いたしました。
私のケアレス・ミスです。
ラスト・コンサートは1966.08.29(月)です。
ラストと夏休みの最後と変に混同してしまったようです。
本文を訂正させていただきました。
さりげなくコメントをいただき、大変感謝いたします。
さて。
そのテープ、無事ですか?
聴きたいなぁ・・・♪
ビートルズ日本公演 幻のテープ発見
* 2006.10.15 Sunday
1966年に行われたビートルズ日本公演の未公開録音テープがあることが14日、分かった。都内在住の男性が、来日ライブ5回中3回目となる同年7月1日夜の模様を客席から録音したもの。ビートルズはこの年でライブ活動を中止。これまで、ビートルズのライブをフル収録したものは、日テレが収録した日本公演2回目が最後といわれていたが、3回目の公演のテープが発見されたことで「歴史的価値がある」と関係者は話している。
来日40周年、新アルバム「LOVE」の発売決定などで盛り上がるビートルズファンに新たなニュースが飛び込んできた。
ビートルズは1966年6月29日に来日。日本武道館で30日から7月1日昼と夜、2日昼夜の計5回公演を行った。30日のライブはその後ビデオ販売され、1日昼の公演は同日夜に日テレで放送された。
今回見つかったのは3回目のライブ。都内在住の会社員(55)が「南1階E20」の席で6ミリオープンテープで35分録音したという。「アイ・フィール・ファイン」の紹介を間違えて「デイ・トリッパー」と言いかけたり、「ノーホエア・マン」のサビで1番の歌詞を2回歌うなど、前2回のライブと微妙な違いもある。
大のビートルズファンでこの3回目のライブを見たというオフィス・オーガスタの森川欣信社長は「音楽史上、ビートルズの歴史上、非常に貴重な資料」と話す。
ビートルズは日本公演後、フィリピン、米国を回り、同年8月29日、サンフランシスコでの公演をもってライブ活動を休止した。「ライブの模様がすべて聴けるのは日本での2回目の公演が最後といわれていた。米国でのライブが海賊盤で出回っているが、フルで収録されているものはない。今まで存在しないと思っていた音が突然現れたんです」(森川氏)と価値を訴える。
テープを所有する会社員宅で聴いたという森川氏は、はっきり歌やギターの音が聴こえることに感慨を覚えたという。「当時、ライブは悲鳴で聴こえなかったと言われていたが、僕にははっきり聴こえていた。客席で録音したこのテープは、観客に終始ビートルズの声が聴こえていたことを証明する意味でも価値がある」と話している。
◆無許諾だけに商品化難しい
“幻のテープ”が商品化される可能性はあるのか。無許諾で録音しただけに、公開されるにはビートルズの楽曲を管理する英レコード会社「アップル」側の許可などが必要だ。5回の公演をすべて見た音楽評論家の湯川れい子さんは「マニアは聴きたいでしょうが、このテープを公開したら、即訴えられるでしょう。ビートルズ側から商品化の許可が出るのは難しいのでは」と話す。
森川氏は「ビートルズ“最後の”ライブテープだし、客席から聴いたビートルズの音として歴史的価値は高い。クオリティーも下手な海賊盤よりクリアだし、何とか公の場で聴けるようになれば」と熱望している。
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キャンドルスティック・パークのコンサート(1966.08.29)はブートCDで出てたと思います。こちらは地方なのでもう見かけませんがそちらは新宿辺りで購入出来るのでは。ビートルズ○○クラブの製作の物は‘Long Tall Sally ’は未収録ですがブートCDの方はノットコンプリート表記で切れるところまで収録されてます。
ビートルズ日本公演7月1日夜の部の音源の件ですがオフィス・オーガスタの森川欣信社長(アミューズの役員だったと思います)が確認しているので間違いありません。多分アミューズ所属で最近休止宣言したSASのK氏、俳優でもあるF氏とかは聞いてるかもしれません。
クオリティーも下手なブートよりクリアらしいので是非聞きたいものですね。確か公演1、2回とアンプ回りが改善されてサウンドが違ってる筈ですし、、、、
湯川れい子さんの記憶を音声と画像に変換できる
「装置」を発明できたら・・・
と思いました。
7月2日の4回目・5回目もひょっとして・・・。
ありがとうございます。
やはり出ていたのですね。ブートCD。
学生の頃を思い出し
久々に新宿・新大久保界隈を徘徊してみます。
小生は当該ブートCDを聞いたことがないので
詳細はわかりませんが、○○クラブのカセットは
全体を通じて演奏が半音上がっています。
まさか当日のB4が意図的にこのような演奏を
するとは思えませんので、収録(or編集)の段階で
スピードが狂ったのかも知れません。
個人的には「Yesterday」サビのギターソロが
オススメです。(聴いてのお楽しみデス。)
ありがとうございます♪
いろいろとお楽しみがあるようですね。
ラスト・ナンバーが収録されているものに
出会えたら
「ツイン・カジノ」でどのような雰囲気が出ていたのか
聴いてみたいと思います。