シリーズでお送りしている長崎さるくの第三弾。
今回は通称「そろばんドック」の名で知られる、
小菅修船場跡です。
グラバー園から約1.5km、
細く食い込んだ入江に造られた小菅修船場は、
明治元(1868)年完成の、現存最古の洋式ドッグであり、
その捲上小屋は現存最古の赤煉瓦建造物、
近代化産業遺産として世界遺産の暫定候補でもあり、
國の指定重要史跡、
さらには社団法人日本機械学会が認定した、
最初の機械遺産でもあるという、
錚々たる肩書きを持ちながら、
いつ行っても殆ど見学してる人を見ない、
不遇の遺産です。
敷地の入口に立てられた解説板にあるように、
薩摩藩とグラバーが音頭をとって完成した修船場は、
幕末から各藩が集めた軍艦の修理等で活躍するものの、
その後三菱の経営下に入ってからは、
対岸の造船所(現在の三菱重工長崎造船所)の勢いに押され、
徐々にその役割を終えて行ったそうです。
長崎造船所の史料館に展示されている、
初期の頃の修船場の写真。
この写真は何処から撮影したんでしょうか。
現在の小菅の入江は長崎湾い向かって広がっているので、
岸から撮影したとは思えず、
さらにかなり高さのあるところから撮影しているようです。
水面の上に浮遊して撮影した様に思える、
不思議な写真です。
また、長崎造船所史料館には、
創業の頃の修船場の模型も展示されていますが、
これによって、
船台が「そろばん」の様だったことがわかります。
また創業当時の引き上げワイヤーは中央に一本。
ちなみにこのワイヤー、画像をよく見ると、
何カ所かつなぎ目の様な物が見えると思いますが、
当時は一気に巻き上げるのではなく、
引いたら引いた分だけワイヤーを外して行き、
巻き戻す時はワイヤーを継ぎ足して延ばしていたそうです。
煙突の横に並ぶ筋状のものが、
その継ぎ足し様ワイヤー。
入江の少し海寄りから捲き上げ小屋をみたところ。
潮の引いた入江に降りて、
かつて船台が乗っていた中央の軌道を間近で見たところ。
約150年前の機械は、潮と風にさらされて、
かなりボロボロです。
捲き上げ小屋を背にして海側の眺望。
満潮の時に海中に沈めた船台に船を乗せ、
干潮の時にドッグに引き上げて作業をしていたそうです。
また、両岸の護岸はかつて軍艦島の堤防にも使われた、
天草石によるもので、
現在も当時のオリジナルのまま残存しています。
約150年の時を越えて、
狭い入江に密集する近代化遺産の宝石箱。
次回は巻き上げ小屋の中も見てみようと思います。
________________________________
■シリーズ:長崎さるく■
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今回は通称「そろばんドック」の名で知られる、
小菅修船場跡です。
グラバー園から約1.5km、
細く食い込んだ入江に造られた小菅修船場は、
明治元(1868)年完成の、現存最古の洋式ドッグであり、
その捲上小屋は現存最古の赤煉瓦建造物、
近代化産業遺産として世界遺産の暫定候補でもあり、
國の指定重要史跡、
さらには社団法人日本機械学会が認定した、
最初の機械遺産でもあるという、
錚々たる肩書きを持ちながら、
いつ行っても殆ど見学してる人を見ない、
不遇の遺産です。
敷地の入口に立てられた解説板にあるように、
薩摩藩とグラバーが音頭をとって完成した修船場は、
幕末から各藩が集めた軍艦の修理等で活躍するものの、
その後三菱の経営下に入ってからは、
対岸の造船所(現在の三菱重工長崎造船所)の勢いに押され、
徐々にその役割を終えて行ったそうです。
長崎造船所の史料館に展示されている、
初期の頃の修船場の写真。
この写真は何処から撮影したんでしょうか。
現在の小菅の入江は長崎湾い向かって広がっているので、
岸から撮影したとは思えず、
さらにかなり高さのあるところから撮影しているようです。
水面の上に浮遊して撮影した様に思える、
不思議な写真です。
また、長崎造船所史料館には、
創業の頃の修船場の模型も展示されていますが、
これによって、
船台が「そろばん」の様だったことがわかります。
また創業当時の引き上げワイヤーは中央に一本。
ちなみにこのワイヤー、画像をよく見ると、
何カ所かつなぎ目の様な物が見えると思いますが、
当時は一気に巻き上げるのではなく、
引いたら引いた分だけワイヤーを外して行き、
巻き戻す時はワイヤーを継ぎ足して延ばしていたそうです。
煙突の横に並ぶ筋状のものが、
その継ぎ足し様ワイヤー。
入江の少し海寄りから捲き上げ小屋をみたところ。
潮の引いた入江に降りて、
かつて船台が乗っていた中央の軌道を間近で見たところ。
約150年前の機械は、潮と風にさらされて、
かなりボロボロです。
捲き上げ小屋を背にして海側の眺望。
満潮の時に海中に沈めた船台に船を乗せ、
干潮の時にドッグに引き上げて作業をしていたそうです。
また、両岸の護岸はかつて軍艦島の堤防にも使われた、
天草石によるもので、
現在も当時のオリジナルのまま残存しています。
約150年の時を越えて、
狭い入江に密集する近代化遺産の宝石箱。
次回は巻き上げ小屋の中も見てみようと思います。
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♪I'm sittin' on the dock of the bay♪
この夏、大森の人工ビーチに行きましたが、その近くにも小規模なドックがありました。
http://ei8at12so.seesaa.net/article/158634490.html
水没していくレールが堪らなかたのですが、同調者が現れ、周辺にいくつもあること知らせてくらました。
http://ankyoneko.exblog.jp/14308232
金谷の石井造船所跡も今はどうなってるでしょうね。
水没してゆくレール、いいですね!
金谷の造船所はどうなったんでしょうね。
年末年始富津へ行くので、
時間があったら見てこようと思います。