前回アップした廃道の取材リポートの冒頭で取り上げた、
栃木県足利市にある越床峠の取材に行った際に、
次のロケ地へ移動しようとすると、四駆に乗ったヒップなおじさんが近づいて来た。
テンガロンハットにデニムの上下、ベルトはD&Gと、
栃木県足利市の山奥には不釣り合いな出で立ち。
おじさんとしばらく話しているうちに、
越床峠の横に広がる鉱山を見学させてくれる、という話になった。
ちょうど『産業遺産の記録』という本をお手伝いさせ頂いた時期でもあったので、
現役の鉱山を見てみようと思った。
足利鉱山は珪石を露天掘りで採掘している鉱山。
広大に削り取られた珪石の山が印象に残る。
その光景はさながら映画『未知との遭遇』の、
デビルズ・タワーとその奥に作られたコンタクトステーションのよう。
すりばち状に削り取られた低地には、
きっとマザーシップが着船できるにちがいない。
それはさておおき、
この鉱山はNHK大河ドラマ『太平記』の戦闘シーンにも使われたという。
画像中央の珪石が積まれた丘に陣地が作られ、
合戦シーンが撮影されたそうだ。
敷地内には合戦シーンだけではなく、
他の美術的設備も作られたようで、こちらは現在でも残っている。
1991年のオンエアーなので、その後の年月で廃墟状態になったのかと思いきや、
当時、ほぼこの状態でセットが組まれていたという。
この木の感触等、美術スタッフの力量に感服。
太平記の話はさておき、鉱山の施設を端から案内頂いた。
まず、最初の原石ポケット。
対象物がないので規模が分かりずらいが、
幅が5m位、中央に写る鎖の一つが30cmはあるだろうか。
鎖はかなり重量があるので、
その重さで大きな鉱石を選り分けるということだった。
鎖の奥の穴の内側からの眺め。
多少傾斜がついているので、そのまま手前へ転がってくるのだが、
傾斜の床面にスリットが施されている所をみると、
今度は必要以上に小さな鉱石も、
このスロープで分別しているようだ。
選別された鉱石はスロープから手前のポケットへ落ちる。
ポケットの奥には波板状のコンクリートがあるだけにみえるが、
これが前後に移動し、鉱石を細かく砕くクラッシャーということだった。
珪石を砕くのも結構たいへんなのか、
敷地内には、歯がだめになって使わなくなったクラッシャーが放置されていた。
砕かれた鉱石はベルトコンベアーで運搬され、
次のクラッシャーにかけられてさらに細かくなる。
粉砕の行程を3回ほど行なったら、
右端に写るサイロの様な構造のものに蓄えられるそうだが、
これでもう製品が完成。
このサイロには製品になった珪石が蓄えられていて、
下からトラックに積んで出荷する。
そこには通洞や斜坑もなければ、選鉱も砕くだけで、
シックナーとか浮選機とかも全くない。
もちろん製錬等もない。
なんとシンプルな構造の鉱山だろうか。
一通り鉱山施設を見学した後、
鉱山が一望出来る山へ案内して頂いた。
その全貌は地上で見ているより遥かに大きく感じる。
ちなみに、画像の右端に写るカーブする道路が、
越床峠の廃道。
頂いた名刺にはお名前しか無く、
鉱山関係の方だとは分かったが、とりあえず検索してみると、
なんと鉱山のオーナーの方だったようだ(汗)
貴重な体験をありがとうございました。
でもおかげでその日予定していたロケは、
半分しかできなかった。orz
栃木県足利市にある越床峠の取材に行った際に、
次のロケ地へ移動しようとすると、四駆に乗ったヒップなおじさんが近づいて来た。
テンガロンハットにデニムの上下、ベルトはD&Gと、
栃木県足利市の山奥には不釣り合いな出で立ち。
おじさんとしばらく話しているうちに、
越床峠の横に広がる鉱山を見学させてくれる、という話になった。
ちょうど『産業遺産の記録』という本をお手伝いさせ頂いた時期でもあったので、
現役の鉱山を見てみようと思った。
足利鉱山は珪石を露天掘りで採掘している鉱山。
広大に削り取られた珪石の山が印象に残る。
その光景はさながら映画『未知との遭遇』の、
デビルズ・タワーとその奥に作られたコンタクトステーションのよう。
すりばち状に削り取られた低地には、
きっとマザーシップが着船できるにちがいない。
それはさておおき、
この鉱山はNHK大河ドラマ『太平記』の戦闘シーンにも使われたという。
画像中央の珪石が積まれた丘に陣地が作られ、
合戦シーンが撮影されたそうだ。
敷地内には合戦シーンだけではなく、
他の美術的設備も作られたようで、こちらは現在でも残っている。
1991年のオンエアーなので、その後の年月で廃墟状態になったのかと思いきや、
当時、ほぼこの状態でセットが組まれていたという。
この木の感触等、美術スタッフの力量に感服。
太平記の話はさておき、鉱山の施設を端から案内頂いた。
まず、最初の原石ポケット。
対象物がないので規模が分かりずらいが、
幅が5m位、中央に写る鎖の一つが30cmはあるだろうか。
鎖はかなり重量があるので、
その重さで大きな鉱石を選り分けるということだった。
鎖の奥の穴の内側からの眺め。
多少傾斜がついているので、そのまま手前へ転がってくるのだが、
傾斜の床面にスリットが施されている所をみると、
今度は必要以上に小さな鉱石も、
このスロープで分別しているようだ。
選別された鉱石はスロープから手前のポケットへ落ちる。
ポケットの奥には波板状のコンクリートがあるだけにみえるが、
これが前後に移動し、鉱石を細かく砕くクラッシャーということだった。
珪石を砕くのも結構たいへんなのか、
敷地内には、歯がだめになって使わなくなったクラッシャーが放置されていた。
砕かれた鉱石はベルトコンベアーで運搬され、
次のクラッシャーにかけられてさらに細かくなる。
粉砕の行程を3回ほど行なったら、
右端に写るサイロの様な構造のものに蓄えられるそうだが、
これでもう製品が完成。
このサイロには製品になった珪石が蓄えられていて、
下からトラックに積んで出荷する。
そこには通洞や斜坑もなければ、選鉱も砕くだけで、
シックナーとか浮選機とかも全くない。
もちろん製錬等もない。
なんとシンプルな構造の鉱山だろうか。
一通り鉱山施設を見学した後、
鉱山が一望出来る山へ案内して頂いた。
その全貌は地上で見ているより遥かに大きく感じる。
ちなみに、画像の右端に写るカーブする道路が、
越床峠の廃道。
頂いた名刺にはお名前しか無く、
鉱山関係の方だとは分かったが、とりあえず検索してみると、
なんと鉱山のオーナーの方だったようだ(汗)
貴重な体験をありがとうございました。
でもおかげでその日予定していたロケは、
半分しかできなかった。orz
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます