黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

崩れかけの新建築

2007-06-01 01:45:26 | 建築
先日アップした都営上目黒アパートの帰りに、
代官山経由で渋谷まで出た時にちょっと気になったものをアップしています。

代官山の駅の近くには、いつかはアップしようと思っていた、
鈴木エドワード氏によるオンワード代官山ビルがあります。



かつては
斬新かつソリッドなデザインで知られた、
ジャン・ポール・ゴルティエのブティックが入っていた事で、
その奇抜なビルのデザインと共に話題になりましたが、
今ではゴルティエは撤退して、
ソニア・リキエルの娘ナタリー・リキエルがプロデュースした、
リキエルワールドが展開するショップ RYKIER woman に生まれ変わっています。

鈴木エドワード氏といえば
渋谷センター街の斧をイメージした派出所や、
CMにも使われた軽井沢の SUPER VILLA II などで有名ですが、
今からみると日本でのポストモダンのお手軽版的な建物は、
懐かしくもありほほえましくもあります。

前出の3つほど有名ではありませんが、
恵比寿にも氏の作品があります。
恵比寿イーストギャラリー



このビルは山手線沿いに建っているので、
ご存知の方も多いかと思いますが、
代官山ビル同様、壊れかけの建物の中から、
別の建物が顔を出すようなデザインです。

さいたま新都心駅など、硬質でかっちりした最近の作品に比べて、
発想にウエイトがあり、隙のある仕上がりは、
初期の作品だからでしょうか、それとも意図したところでしょうか。

ちなみに記事のタイトル「崩れかけの新建築」は、
以前アップしたアインシュツルツェンデ・ノイバウテンから。
オンワード代官山ビルが建てられたのが1986。
かたやアインシュツルツェンデ・ノイバウテンが活動したのは、
80年代初頭から後半にかけて。
どちらも懐かしの80年代です。


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