黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

消滅する街~新宿ノーザンウエスト~ #73

2012-01-12 00:36:32 | ・新宿ノーザンウエスト
大都会に残る時の止まった場所、
新宿ノーザンウエスト・シリーズです。

前回の記事の最後にアップした、
ホテルニュー寿の前の道を更に登ると、
道はだんだん狭くなり、
石畳と周囲の植物が迫りよって、
風情ある光景が始まります。
Mapion


十二社の池跡

ほんの短い距離ですが、
十二社跡の異空間っぷりとはまた違う、
特別な異空間を感じる場所なので、
ここを訪れる時はいつも行ってしまいます。
異空間のトンネルを抜けると小さな十字路があり、
その先もほんの短い区間だけ、
極めて細い路地が残っています。
Mapion



既に廃屋となった民家と、
まだ現役で使われている民家が共存し、
昭和の風情を今に伝えています。
またこの路地は、猫が沢山います。


十二社の猫

訪れれば必ずと言っていい程、
人なつこい猫に出会います。

ちょっと戻って小さな十字路を北へ進むと、
そこにもまたほっこりした猫がいました。


十二社の猫

猫のすぐ脇には、
かつての料亭を改装した居酒屋「品川亭」があります。
Mapion


十二社の品川亭

品川亭の前にも、ニュー寿の前と同様、
急峻な坂道があります。


十二社の小さな坂道

かつての花街の香りをほんの僅かですが残す、
とても風情のある坂道です。
奥にはパークハイアットが見えます。


十二社

かつて十二社の小池のあったあたりに建つ民家。

十二社の花街の雰囲気はもう殆ど残ってはいませんが、
それとは違う独特な風情を漂わせるこの一角が無くなるのも、
そう遠くないことなのかもしれません。

■追記 : JAN. 14, 2012 ■

後日、十二社の池をNHKのバラエティ番組『ブラタモリ』で、
既に2010年に取り上げていたのを知り、早速視聴。
十二社の池に限らず、
淀橋浄水場と現在の地下水施設や四谷大木戸などを取り上げ、
新宿の水にまつわるスポットを巡っていました。
十二社池のコーナーは時間も短く、さらっと流す程度でしたが、
それでも十二社にある蕎麦屋さん「福助」に立寄り、
店の裏手がすぐに池だった写真を見せてもらっていました。


十二社の池 (『ブラタモリ』よりキャプチャ)

◆ 消滅する街~新宿ノーザンウエスト~ ◆
NEXT  TOP

★ ワンダーJAPAN ★
 連載『新宿ノーザンウエスト~昭和と平成の交差点~』(vol.06~09)
  vol.06  vol.07  vol.08  vol.09


最新の画像もっと見る

post a comment