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今回は、自宅から10分ほどの場所にある「史跡金生遺跡」の紹介です。
ここへは、こちらに来る以前より幾数回訪れる機会があったのですが、当ブログで紹介するのは、意外と初めてでした。
金生遺跡は、八ヶ岳の南麓のほぼ中央部にある、標高770m付近の尾根上に位置しています。およそ2haの範囲に広がる、縄文時代(後・晩期中心)のムラの跡と中世(戦国時代)の城館跡の一部です。県営圃場整備事業に先立ち1980年(昭和55年)に約7ヶ月近くかけて発掘調査を行いました。
この遺跡は、中部地方における大規模な配石遺構を伴った縄文時代後・晩期の代表的な集落として貴重であり、その一部が1983年(昭和58年)に国指定の史跡に指定されました。現在では、史跡公園として整備され一般に公開されています。
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正面入り口には、左右に立派なシンボルが建っています。
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ここの遺跡が特殊なのは、その配石遺構に際立った特徴があるためです。
中でも、幅10m、長さ60mに及ぶ大規模な遺構は、たくさんの大小の石で構成された石棺状の石組・方形石組・円形石組などが組み合わさり、そこに立石や丸石、石棒などが複雑に配置された極めて特殊な遺構なのだそうです。
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シンボルストーンと南アルプス甲斐駒ヶ岳方向
現在見られるものは、縄文晩期ごろの遺構を発掘当時の状態で復元したものだそうですが、復元からでも十分その特異な遺構であることが伺い知ることが出来ます。
この遺構の用途については、諸説あるようですが焼けた人骨や立石、石棒といった特異な遺物が多いことから、特定の墓を中心とした祭祀性の強い遺構であると考えられているそうです。
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ここから出土された数多くの遺物の中でも「中空土偶」と、呼ばれている遺物は、その容姿からも興味深いものです。
土器と同じ技法で製作されているんだとか。
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ここでは、配石遺構のほかに住居跡や土器、ヒスイの垂飾、耳飾りなどの装身具。石製の矢じりなどの日常に使われたと思われるたくさんの道具類。
そして故意に破壊された土偶片や石棒など祭祀遺物が数多く(200点あまり)出土されています。
【マップ】
※金生遺跡を見学したあとは、ここから北へ車で5分ほど行った場所にある「北杜市考古資料館」を併せて拝観することをお勧めします。ここで出土された遺物の一部や「中空土偶」を観ることが出来ます。
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