5月に公開された映画 『殿、利息でござる!』のことは以前、ブログに書きました。
(4月15日のブログに映画化までの経緯を書きました。)
今回も、原作者の磯田道史さんの記事を読みました。〔専門は日本近世史〕 (抜粋です)
~すべては一通の手紙から~
真心こもった手紙に突き動かされ、なんとしてもこの史実を後世に残したいと思いました。
これまで私は、すぐれた文学や芸術は、人間の善性を励まし、周りの人々の生き方にも響いて、
やがては社会をも変えうると信じてきました。文化を通じて人々の価値観を変え、
世の中をほんの少しばかりよくできたら・・・と願ってきたのです。
社会を覆う不安感が人々を萎縮させ、孤立や分断・対立を生んでいる。
そうしたなかにあって、現代の日本人は時間的にも空間的にも、責任感の範囲が
急速に狭まっているように感じられてならないのです。
だからこそ、江戸時代の庶民の心意気を伝えたいと思いました。
身分制という現代よりはるかに厳しい制約がありながら、
それでも他人を慈しみ、ふるさとを思いやる公共心を失わなかった人々の
”精神の気高さ”を伝えたいと考えたのです。
今回の映画化によって、そのメッセージを広く世に訴える機会を得ました。
これが本であったら数十年の歳月を要したかもしれません。
しかし映画なら、活字を読まない人にも届きますし、外国の方々にも字幕によって
伝えることができますから。
若い人々へのメッセージ:
文豪・武者小路実篤は、 「龍となれ雲自ずと来たる」 と語り残しています。
堂々たる龍になれば、龍を空に持ち上げるような雲は自然に集まってくる、という意味です。
若い皆さんには、夢や目標があるでしょう。しかし、「あれが足りない」「これができない」と
嘆いてしまいがちではないでしょうか。若い皆さんに問うてほしいのは、
その夢や目標を実現するための準備をしているか、ということです。
準備ができていなければ、チャンスが訪れても逃してしまいます。
その準備をしっかりするためにも、「時間の経済」を知ってほしいのです。
時間は万人に平等です。それでいて一度失ってしまえば二度と取り返すことはできません。
お金を節約している若者はたくさん見ますが、時間を節約して、有効活用している若者はあまり見ません。
時間を有効活用して、龍になる準備をする。そうすれば、空に持ち上げてくれるような雲は集まってきます。
そして願わくは、その夢や目標が、誰かに必要とされ、喜ばれ、ありがたいと背中を拝まれるようなものであってほしい。
なぜなら人の本当の幸せとは、そういう生き方にあるのではないかと思うからです。
そんなこともこの映画から感じていただければ、原作者として嬉しい限りです。
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映画は本を読むより楽で、ストレートに伝わると思います。
夏休みの自由研究などで、このような映画、または、好きな映画でいいけれど、感想等をまとめるなど、
いいのではって思いました。
JAF MATE の表紙がとてもかわいい。
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