コメント欄は閉じておきます。
東山魁夷展 に行きました。
印象的な「東山ブルー」が美しかった。
緑響く
長野県信濃美術館 東山魁夷館の橋本館長の話。
「自然は心の鏡」の世界
画伯の “風景がの出発点” の地・信州に建つ当館は、画伯から寄贈を受けた作品など960点を収蔵しています。
当館は毎年、約8万人が来館されます。3分の1がリピーターです。
東山芸術の魅力は、二つの漢字で示すことができます。
一つは「優」 優美にして優艶。上品な美しさだけでなく、艶がある。あでやかさがある。
もう一つは「清」 清澄にして清冽。透明感ある清らかさ、冷たさがある。
温かさ(優)から冷たさ(清)まで、見る人を引きつける幅広い要素があるわけです。
見る人の気持ちや置かれた立場などは、常に変化します。しかし、どんな状況の人でも
東山芸術と対話すると、心が洗われる。
「新たな気持ちで頑張ろう!」と勇気が湧く。
風景画家の原点
自然とは、宇宙のことです。自然から見れば、人間は、ちっぽけな存在かもしれない。
しかし、自然も私たちも、同じ生命の根につながっている。
息を吐いたり吸ったりするように、波が寄せては消えるように、生と死は繰り返される。
これが生命の呼吸であり、リズムです。この対蹠:たいしょを描くのが、東山芸術の神髄です。
終戦の直前、画伯は熊本の部隊へ配属され、爆弾を抱えたまま敵に突入する自爆訓練を重ねます。
生きる希望さえ見いだせない。こんな時、熊本城から見た風景に生の輝きを感じたのです。
死を覚悟したからこそ、初めて生命の美しさが見えたのでしょう。
「冬」を主題にした作品も多いですが、「冬」イコール「絶望」ではなく、
「冬は必ず春となる」という希望のメッセージです。
「行く秋」とうい名品があります。
この絵を晩年に制作した画伯は、
人生で一番輝いている時は「今」であり、人生それぞれの時期に生命の輝きがることを訴えている。