晩秋から冬にかけての定番イベントは、
イルミネーションなどの光のイベント。
建物や樹々を光で浮かび上がらせる
ライトアップもその一つです。
今、都立小金井公園で、園内のライト
アップが行われています(12月8日まで)。
題して「小金井公園ナイトパークワンダー」。
このイベントに合わせて、「江戸東京
たてもの園」の「たてもの」のライトアップ
イベントも開催されました。(23・24日)
どんな光景が見られるか、楽しみでした。
写真は、たてもの園の上から見渡した
園内の光景です。いろいろな光のオブジェ
が設営されています。
小金井公園につき、早速公園西口の光の
アーチをくぐり、園内を進んでいきました。
まず目に飛び込んできたのは星のような
オブジェ。これは何をモチーフにしたものか。
子どもたちは、早速記念写真です。
遠くに点々と光が見えているのは、
「ミライの桜」と題したゾーンのオブジェ
です。ここには、近年桜の若木が植えられて
きています。やがて立派な桜の樹に育って
くれることを祈っているかのようです。
「宿根草園のライトアップ」です。
あかりが次々と変化していきます。
普段静かにたたずんでいる園内の巨樹
たちも、ライトに照らし出されて、
おめかしをしているようです。
錦絵ねぶた「小金井小次郎」です。
小金井小次郎は実在した小金井ゆかりの
侠客。この絵の作者は、ねぶた師として
実力者の北村春一氏だそうです。
これはなんとメルヘンチックな、
アートフラワーの回転木馬。
3頭の馬が人力で回っています。
子どもたちが乗りたい乗りたいと
親にせがんでいました。
たてもの園の旧光華殿(ビジターセンター)
前につくられたアーチとランウエーです。
イチョウをテーマにアートフラワーで
つくられています。
秋のおしゃれなオブジェです。
西口一帯のオブジェを楽しんだ後は、
「江戸東京たてもの園」のライトアップに
入園です。
普段は夜間開園されることはありませんので、
建物の窓の明かりを見ることはありません。
もちろん暗い中を歩くこともありません。
懐中電灯で目の前を照らしながら、
明かりが灯った家々を巡り歩きました。
子どもの頃は、写真のような洋館は、
見ることはほとんどありませんでした。
でも何となく、懐かしいのです。
懐かしさがこみあげてくるんです。
不思議です。なぜなのか。
はっとしました。そうなんです、
子どもの頃を思い出したからなんです。
暗がりを歩いた体験です。
子どもの頃、田舎のことですから、
夜は通りも家々も暗いものでした。
暗い中を歩くのは、ドキドキしします。
ちょっと怖いのに、どうっということ
ないと自分に言い聞かせる。
そうしたとき、目の前の家々の門灯や
玄関先や窓の明かりは、ほっとさせて
くれるものでした。安心するんです。
懐かしさを覚えながら歩いているうちに、
もう一つの思いがしてきました。
それは、人々の暮らしがなくなったはずの
建物に明かりが見え、その明かりの中に
人影が浮かんでいる。声も漏れ聞こえてくる。
まるで建物が生き返ったようなんです。
たてものというのは、生活の匂いがあって
こその建物なんですね。
ライトアップの建物を巡り歩き、ちょっと
一息ついている入園者の方たちは、どんな
感想をもったでしょうか。どんな昔を思い
出したでしょうか。
たてものに明かりが灯り、人影があり、
声がする。そこにいるのは、親や兄弟姉妹、
祖父母。家族の語らい・温もり。
命をとり戻したたてものが、私たちを
昔に誘ってくれている。
今にも発車しそうな都電。
都電も生き返って、子どもの頃の世界に
乗せていってくれそうでした。