ヒマヒマノキ ~歩いて、見て、楽しんで~

庭園・街の花、まつり・名所。いろいろな出会いを,その時々の想いを交えて、皆様にお届けします。

写真で二度旅をする ~雪の高山、古い町並で~

2024-12-12 | 旅行

先日の土・日(12月7日・8日)、
好天の東京から向かった先の高山は、
一転して雪でした。




7日に
宿泊した奥飛騨の温泉は既に雪で、
深夜にはかなりの積雪となりました。
高山の市街地は積雪とまではいかなかった
ようですが、郊外は白一色でした。

何度か訪れている高山の町ですが、
雪の中を巡り歩いたのは初めてでした。





最初に訪れたのは、746年(天平18年)の
創建になるという飛騨国分寺。
奈良時代中期、聖武天皇が全国にその建立
を命じた国分寺の一つです。

   


以前、このブログにアップ済みですが、
その時は私は見に行けませんでした。
とりわけ見たかったのが、樹齢1250年以上
とされる大イチョウです。樹の周りは
イチョウの葉で覆われていました。


   

   



    

    
境内の鐘楼・庫裏・本堂・三重塔と
イチョウのコラボは、舞い降りる雪と
ともに思い出深いものとなりました。









続いて向かったのは、朝市が行われる宮川
の川沿いの通りです。午後の時間帯でしたので、
人の姿もまばらで、通りは静かでした。
おそらくこの雪の中でも、午前中は観光客で
賑わっていたことでしょう。





朝市の通りを横切り、古い商家や町屋が続く
「古い町並」を見て回ることにしました。
依然として雪は降り続いています。

木製の看板や格子窓、黒い壁などの店を
カメラに収めましたが、さすがに冷え込んで
います。首をすくめながら歩いていると、
とある建物の前で「よかったらどうぞ
お入りください」と呼び止められました。





町家風ですが、入り口はちょっと固そうな
雰囲気です。一瞬逡巡しましたが、
せっかくですので、入ってみました。
案内板には「村半:高山市若者等活動
事務所」と出ています。
どうやら市の施設のようです。







招き入れてくれた男性スタッフの方が、
建物の部屋や庭や蔵などの概要を説明
しながら、内部を案内してくれました。

最初に案内してくれたのは、建物の
主要な部屋である「本座敷」。
ここは賓客をもてなす座敷。障子を
左右に開くと、簡素ながら趣のある中庭が
目の前に広がりました。まるで絵画です。
寺院などにある「額縁庭園」とでもいう
感じです。




    


本座敷の隣にも座敷があり、立派なつくりに
なっています。ここからも中庭が見通せます。
部屋の雰囲気に合わせて据えられている
テーブルは、長持ちをリメーク。椅子は、
地元の木工スクール生が制作したもの。
いずれも最近の制作だそうで、
このことはパンフであとで知りました。




    
茶室が設けられていました。
ここで、賓客との茶会もなされたので
しょう。通りに面した戸口を開けて、
坪庭から直接賓客が入る様式になって
いました。



主な部屋を見終わって上り口の土間
から内部を見ていると、女性スタッフ
の方がやってきました。
この建物の来歴が書かれたパンフを
渡しながら、詳しくはユーチューブ
などSNSも見てくださいねとニッコリ。

ちなみに、パンフによると、この「村半」
という建物は、明治8年(1875年)の大火
直後に再建されたもの。10数年後に
この建物を所有した村田半次郎という実業家が、
建物を増改築をしてほぼ現在の姿にしたもの。
村田半次郎氏は、「繭」の卸売りを営んで
いた明治・大正期の豪商で、
屋号の「村半」は同氏の名前にちなんだ
ものだそうです。

女性スタッフが熱く語ってくれたのは、
ここで行われている活動と、この歴史的な
建物を、市が、若者の学びと一人ひとりの
結びつきの場として設置運営していること
のねらいでした。

「高山の高校生の多くは、地元に大学が
ないため、卒業すると市を離れていく。
そうした若者が高山に帰ってきたときの
交流の場となり、また市内外の若者が
活動を通じ、きずなを結ぶ場となり、
その力を未来の高山の地域づくりに
つなげていってほしいです。」





「さんまち」は、雪の降る中、多くの
観光客で賑わっていました。
観光で活性化が図られている高山ですが、
その一方で、若者の力を地域づくりに
活かしていこうとする行政の取り組みが
なされているんですね。
高山の魅力の別の側面を知り、次にいく
機会があったときは、もう一度聞いて
みたいと思いました。

今回「村半」のことをブログにしながら、
女性スタッフの言葉を思い出しました。

「写真はいいですね。後で写真を見る
とき、思い出すものがあります。
だから
写真で二度旅をすることになるん
ですね」

そんなブログをつくることができたら
うれしいのですが、そう簡単には
いきません。毎回悪戦苦闘です。

コメント (1)
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