世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

29ヶ月、ありがとう

2005年04月11日 | Weblog
早めに起きて、衣替えをした。

以前に読んだ小説にこういうくだりがあった。
左遷された意中の殿方を想い、泣きながら「死にたい」と呟く主人公。
その母親は、主人公の箪笥の奥にある洋服を引っ掻きだしてこう言う。「女は死にたくなったら一年中の服を整理するの。この水着、もう一回着ようかなぁ、夏までは生きてみようかな…ってね。女なんて服一枚で死ぬの嫌になっちゃうもんなの。」(内館牧子「…ひとりでいいの」より)

半年に一度、衣替えをする度にこの部分を思い出す。
「そんなもんかな…?」と思う気持ちと、
「女性の心って、そんな単純な構造なんかね」との猜疑の念を持ちながら。


今日はお天気が良かったので、「ザ・ノンフェクション」を観ながら、お洗濯とお布団干し、そして苦手なお掃除も頑張った。今夜は衛生的な部屋で、フッカフカのお布団に寝られると思うと、非常に心弾む。


先日、わたからBODY SHOPの全身パウダーを誕生日祝いにいただいた。そのパフを買いに赤羽LALAガーデンに行く。
「あっそうだ。携帯の機種変更したいんだよね~♪」と急に思い出し、auショップに入店。
パンフレットをもらって帰ろうとしたその瞬間…!!

店員の殿方に声を掛けられた。
なにやら商品説明らしい。

しかし・・・、
パケ代とか、WINとか、SDカードとかって
…よく分からない私。
あんまり興味がないので頭をかすりもせずスルーしていく。
私が携帯に望むことはただ一つ。

ボディが淡いピンクであること。

見た目が可愛くないのなら、携帯なんて持ちたくないって思う。
思い切って、そのことを自白した。
彼は嫌な顔もせず、関西弁で丁寧に商品の説明してくれた。
3月に出たばかりのピンク色の機種があるらしい。
ポイントもかなり貯まっていたので、安く機種変更できるとのこと。

彼の熱心な雰囲気と、その機種(WIN31K)が大変愛らしかったので、
早速変更することにした。

前回、機種変更したのは29ヶ月前らしい…。
たしか、その辺りに大失恋したんだっけ。
衣替えしても、凹んだまんまだったわ、私。
その後、主任試験に受かって大喜びの時も、仕事で泣いた時も、この携帯は私を見守ってくれていたんだよね。
沢山の嬉しいメールを受け取ってくれた29ヶ月間、ありがとう。お疲れ様。ファンデーションで汚れた画面をそっと撫でる。

データー移しをしながら、彼が言う。
「お花見、行かれはったんですね」。
どうやら、待ち受けにしていた吉熊と櫻の画像を見たらしい。
大阪から出てきたばかりの彼に、櫻の名所を教えてあげた。


春は、沢山の出会いを齎してくれる。
いや、積極的に人と接しようとする私のアンテナが過敏になるのかもしれない。

明るい日差し。
爽やかな風。
花の香り…。
意図的にそれらの不思議な魔法にかかるのも、悪くない。
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