8月16日(土)
母の友達は、私が毎年一人で尾道に行くことを聞くと、
「また?きっと現地(尾道)に恋人がいるのよ」
と真剣に言うらしい。
いやー…いませんから。
ある人がある土地を好きで毎年行くことが、そんなに不思議なことなんだろうか?
とてもシンプルな行動だと私は思うのだが。
一人で行くのは、一人が好きなわけで。むしろ、一人でないと来る意味がないんである。
一人ではないと旅ではなくなる。私の求めるコンセプトから逸れてしまう。
なので、毎年、長期休暇が取れるこの時期に、一人で尾道に行くということは自分的には普通なことなのである。
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朝御飯はしっかりと。
ホテルの朝御飯。
干物は自分で焼く。非日常的な作業にコーフン!
すげぇ。煙が出てるよ。
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まずは熊野神社。
くまくま。
「また来れたね」
吉熊を片手にそう呟きながら写真を撮っていると、紳士に声を掛けられた。
尾道の人は優しい。
地図を片手にうろうろしていた一昨年までは、よく声を掛けられた。去年からは地図なしでさ迷えるようになった。
紳士に御袖天満宮まで案内してもらった。彼は生まれも育ちも尾道。羨ましい限りである。
入りくんだ坂の町では物心がつくと、最初に防火意識を教えられるらしい。これだけ家が密集しているのだもの。火事になったら一気に燃え広がるだろうよ。
また、大林宣彦監督についても語ってくれた。地元の人は監督を「宣さん」と呼ぶらしい。
紳士は私のデジカメで沢山写真を撮影してくれた。自分写真集作成できるかもっつーぐらい。そういえば、彼はカメラのコンクールで金勝を受賞したとか。
山の上にある千光寺までの近道を彼と歩き、文学記念館付近で別れた。
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千光寺では、お決まりの絵馬。
今年は新しいことがしたかった。
千光寺にある小高い丘に登りたかったんである。鎖でできたロープを「ファイトォォ!一発!」と登るんである。何年か前、地元の人に「この上からの眺めは尾道イチの景色じゃけぇ」と言われ、毎年登ろうと試みたんであるがダメだった。
「高ければ高い壁の方が登った時 気持ちいいもんな」
って、ミスチルも歌っているし。登ってみた。
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やればできるじゃん!
絶景!
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尾道の猫にゃんは基本的に無愛想。
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吉熊、バテ気味。
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千光寺を下り、こもんのワッフル(ブルーベリーアイスワッフル)を食した。
相変わらず美味しい。ここは大林宣彦監督の「ふたり」に出てきた。
つーか、「ふたり」。
台詞、全部暗記している…。
いくつもの坂道を歩きながらあの歌を口ずさむ。
「風にこの手かざして
見えない森訪ねて
あなたの歌を探してかくれんぼ」(草の想い)
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そして、「ふたり」の千津子の事故現場。
北尾千津子さん…あなたは私の道しるべです。
合掌。
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艮神社の近くで吉熊の撮影をしていたら、上の方からご婦人に声を掛けられた。
「まあ!可愛らしいクマちゃん!」
声の主は大古ミーシャさん。尾道の壊れかけた家屋を修復し、ハーブ庭園を作った。宮崎駿監督の「魔女の宅急便」に出てくるキキの実家みたいな雰囲気の家だった。もしくはターシャチューダーの家。
気品のあるミーシャさんと話をしていると、なぜだろう、凄く元気になる。
彼女は五感セラピストであり、魔女らしい。気さくな魔女さん。
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離れにある和室にはハープと楽譜。
あと、クマがいっぱい!
クマクマクマ!
麓に降り、朱華園でラーメンと餃子を食する。待ち時間20分。幸い天気も曇りで日差しがない分、待つのは難儀ではなかった。ぽにょぽにょした背脂がクセになる。
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「ふたり」に出てきた電信柱。
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三階建の不思議な建造物。
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その近くの肉屋のシャッター。
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夕暮れ時の尾道の町は、ノスタルジック度倍増!
海沿いを歩いていると
「お嬢ちゃん」
と声を掛けられた。
お嬢ちゃん
お嬢ちゃん
私?
声の主に近づくと、漁師さんだった。
漁師さん、こんなに暑いのに長袖をお召し?…と思いきや
入れ墨
だった。
痛いのが嫌いで、採血で喚き、ピアスの穴も開けられない、そんな私。
入れ墨など、この先一生縁がないだろう。入れるとしたら鮭をくわえてるクマかな。
「お嬢ちゃん、どこから来たの?」
「東京です。毎年尾道に来てるんです」
「え!なんで?」
「尾道が好きなのです」
「いくつ?」
「三十歳」
「子供いるんじゃろ?」
「いえ」
「旦那いるんじゃろ?」
「いえ」
「じゃ、彼氏と来てるんだ?」
「…いーえ」
尾道生まれの尾道育ちの入れ墨のおじさんは、尾道を愛する私を気に入ってくれたらしい。
別れ際、私の手の甲に口づけを…。
え…?
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締めは桂馬の蒲鉾。
ホテルで夜景を眺めつつの晩酌。
旅は靴ずれ、夜は寝酒~♪
アダルト系の有料番組表を眺めたんだが、そのタイトルに笑った。
個人的に「極道レズ」っつーのが気になった。
母の友達は、私が毎年一人で尾道に行くことを聞くと、
「また?きっと現地(尾道)に恋人がいるのよ」
と真剣に言うらしい。
いやー…いませんから。
ある人がある土地を好きで毎年行くことが、そんなに不思議なことなんだろうか?
とてもシンプルな行動だと私は思うのだが。
一人で行くのは、一人が好きなわけで。むしろ、一人でないと来る意味がないんである。
一人ではないと旅ではなくなる。私の求めるコンセプトから逸れてしまう。
なので、毎年、長期休暇が取れるこの時期に、一人で尾道に行くということは自分的には普通なことなのである。
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朝御飯はしっかりと。
ホテルの朝御飯。
干物は自分で焼く。非日常的な作業にコーフン!
すげぇ。煙が出てるよ。
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まずは熊野神社。
くまくま。
「また来れたね」
吉熊を片手にそう呟きながら写真を撮っていると、紳士に声を掛けられた。
尾道の人は優しい。
地図を片手にうろうろしていた一昨年までは、よく声を掛けられた。去年からは地図なしでさ迷えるようになった。
紳士に御袖天満宮まで案内してもらった。彼は生まれも育ちも尾道。羨ましい限りである。
入りくんだ坂の町では物心がつくと、最初に防火意識を教えられるらしい。これだけ家が密集しているのだもの。火事になったら一気に燃え広がるだろうよ。
また、大林宣彦監督についても語ってくれた。地元の人は監督を「宣さん」と呼ぶらしい。
紳士は私のデジカメで沢山写真を撮影してくれた。自分写真集作成できるかもっつーぐらい。そういえば、彼はカメラのコンクールで金勝を受賞したとか。
山の上にある千光寺までの近道を彼と歩き、文学記念館付近で別れた。
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千光寺では、お決まりの絵馬。
今年は新しいことがしたかった。
千光寺にある小高い丘に登りたかったんである。鎖でできたロープを「ファイトォォ!一発!」と登るんである。何年か前、地元の人に「この上からの眺めは尾道イチの景色じゃけぇ」と言われ、毎年登ろうと試みたんであるがダメだった。
「高ければ高い壁の方が登った時 気持ちいいもんな」
って、ミスチルも歌っているし。登ってみた。
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やればできるじゃん!
絶景!
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尾道の猫にゃんは基本的に無愛想。
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吉熊、バテ気味。
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千光寺を下り、こもんのワッフル(ブルーベリーアイスワッフル)を食した。
相変わらず美味しい。ここは大林宣彦監督の「ふたり」に出てきた。
つーか、「ふたり」。
台詞、全部暗記している…。
いくつもの坂道を歩きながらあの歌を口ずさむ。
「風にこの手かざして
見えない森訪ねて
あなたの歌を探してかくれんぼ」(草の想い)
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そして、「ふたり」の千津子の事故現場。
北尾千津子さん…あなたは私の道しるべです。
合掌。
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艮神社の近くで吉熊の撮影をしていたら、上の方からご婦人に声を掛けられた。
「まあ!可愛らしいクマちゃん!」
声の主は大古ミーシャさん。尾道の壊れかけた家屋を修復し、ハーブ庭園を作った。宮崎駿監督の「魔女の宅急便」に出てくるキキの実家みたいな雰囲気の家だった。もしくはターシャチューダーの家。
気品のあるミーシャさんと話をしていると、なぜだろう、凄く元気になる。
彼女は五感セラピストであり、魔女らしい。気さくな魔女さん。
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離れにある和室にはハープと楽譜。
あと、クマがいっぱい!
クマクマクマ!
麓に降り、朱華園でラーメンと餃子を食する。待ち時間20分。幸い天気も曇りで日差しがない分、待つのは難儀ではなかった。ぽにょぽにょした背脂がクセになる。
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「ふたり」に出てきた電信柱。
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三階建の不思議な建造物。
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その近くの肉屋のシャッター。
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夕暮れ時の尾道の町は、ノスタルジック度倍増!
海沿いを歩いていると
「お嬢ちゃん」
と声を掛けられた。
お嬢ちゃん
お嬢ちゃん
私?
声の主に近づくと、漁師さんだった。
漁師さん、こんなに暑いのに長袖をお召し?…と思いきや
入れ墨
だった。
痛いのが嫌いで、採血で喚き、ピアスの穴も開けられない、そんな私。
入れ墨など、この先一生縁がないだろう。入れるとしたら鮭をくわえてるクマかな。
「お嬢ちゃん、どこから来たの?」
「東京です。毎年尾道に来てるんです」
「え!なんで?」
「尾道が好きなのです」
「いくつ?」
「三十歳」
「子供いるんじゃろ?」
「いえ」
「旦那いるんじゃろ?」
「いえ」
「じゃ、彼氏と来てるんだ?」
「…いーえ」
尾道生まれの尾道育ちの入れ墨のおじさんは、尾道を愛する私を気に入ってくれたらしい。
別れ際、私の手の甲に口づけを…。
え…?
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締めは桂馬の蒲鉾。
ホテルで夜景を眺めつつの晩酌。
旅は靴ずれ、夜は寝酒~♪
アダルト系の有料番組表を眺めたんだが、そのタイトルに笑った。
個人的に「極道レズ」っつーのが気になった。