世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

パキシルよりも

2009年01月14日 | Weblog
心療内科デー

私の前の前の前の人の診察が小一時間もかかったので、結局3時間待ち。
会社を定時で上がり、ハイヒールで駅までダッシュしたのに…。

手持ちの小説「星影のステラ」(林真理子)を読了してもなお呼ばれぬ私の名前。
煙草が吸いたい…。

あれ?
私の存在、忘れられちゃったのかしら?
と不安になる頃、やっと診察室に呼ばれた。
もう、この時点で疲れはピークに達し、色々考えて用意してきた事柄は忘却の彼方へ消えていっていた。

今の私、かなり素!
生まれたまんま!

こりゃ、ありのままの私を診てもらえそうである。

クマ医師は、今日も静かに質問を投げ掛けてきた。

28日周期が取り柄の私の生理が、だいぶやる気がないらしく遅延していることと、それに併せたPMSの影響で気持ちが若干沈んでいるということを述べた。

「お正月は何してましたか?」
ということを皮切りに、私の家族について突っ込んだことを尋問された。

むしろ、私がクマ医師に問いかけたい質問である。
医者ってやっぱりお正月を海外で過ごすのかしら?
アロハシャツを身に纏ったクマ医師を妄想し、笑ってしまった。

え?
弟?

…弟のことなんて、あまり深く考えたことがない。
クマ医師の静かな口調で「弟さんは…」と言われると、弟がこの上なく高尚な青年に思えてくるから不思議。
…本当はファンキーなんだが。


今一番不安なこと、それはパキシルの断薬のことだ。

あのブルーのラインが麗しいパキシルを断たれたら、また私の人生は暗くて悲しいものに戻ってしまうのではないだろうか?
そう考えると、もうね、震えが止まらない。
「早く世界が滅亡してしまえばよいのに」とさえ思う。

その旨をクマ医師に素直に言った。

「大丈夫ですよー。必ず自信を持てるようになりますよー。あなた、前よりも格段に良くなってきていますよ。大丈夫です」

クマ医師は私の目を見てそう言った。

病そのものよりも、患者を見つめるクマ医師。

パキシルよりも効果があるのは、彼の真摯な医療業務と人柄に触れることなのかもしれない。


◆画像◆
アロマキャンドルを焚いてみた。山梔子の甘い香りとゆっくり揺れる炎を見ていると心が和む。
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