「うわぁ」
という歓声がフロアに響く。
声の方を見ると、窓の外に大きな虹が出ていた。
けっこう太くて濃い虹である。
昨日から今日にかけて、ずっと雨が降り続いていた。
雨は小雨になり、夕日が差してきたと思っていた矢先のこと。
「赤、橙、黄、緑、青、藍、菫」
光の七色が天にアーチを描く、自然界からの贈り物。
視線をパソコンに移し、またしばらくして窓の外を見ると、もう虹は消えかかっていた。
「虹が10分も見えていたら、もう見る人はいなくなるだろう」
と言ったのはゲーテだ。
でも私は毎日見たいと思う。
まだ幼い頃、あの虹を渡れると信じていた。
渡った人がいないという事実に疑念を抱いていた。
そのぐらい、あの虹を渡れるということに確信づいた夢を持っていた。
いつからだろう。
「虹を渡る」ということを諦めてしまったのは。
虹だけではない。
夢を見ることさえも辞めてしまったのは。
でも。
密かに。
今でも虹を見る度に。
「渡りたい」と思ってしまう。
という歓声がフロアに響く。
声の方を見ると、窓の外に大きな虹が出ていた。
けっこう太くて濃い虹である。
昨日から今日にかけて、ずっと雨が降り続いていた。
雨は小雨になり、夕日が差してきたと思っていた矢先のこと。
「赤、橙、黄、緑、青、藍、菫」
光の七色が天にアーチを描く、自然界からの贈り物。
視線をパソコンに移し、またしばらくして窓の外を見ると、もう虹は消えかかっていた。
「虹が10分も見えていたら、もう見る人はいなくなるだろう」
と言ったのはゲーテだ。
でも私は毎日見たいと思う。
まだ幼い頃、あの虹を渡れると信じていた。
渡った人がいないという事実に疑念を抱いていた。
そのぐらい、あの虹を渡れるということに確信づいた夢を持っていた。
いつからだろう。
「虹を渡る」ということを諦めてしまったのは。
虹だけではない。
夢を見ることさえも辞めてしまったのは。
でも。
密かに。
今でも虹を見る度に。
「渡りたい」と思ってしまう。