世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

CARIBBEAN BLUE INCENSE

2009年11月24日 22時46分09秒 | Weblog
今の部署に来た頃。
よく焚いていたお香があった。
会社の先輩からいただいたお香である。
「CARIBBEAN BLUE」(日本香堂)
その名の通り、透き通った優しい香り。

暫くはその香りにハマり、池袋の雑貨屋に行く度に買っていた。
しかし、いつの間にか店頭から姿を消した。

一昨日。
帰省したとき。
実家近くのFKDインターパーク店で、このお香が販売されているのを発見した。

嬉しかった。
久々の再会!
購入。

この香りを嗅ぐと、店舗から今の部署に来た頃の気持ちが鮮明に蘇ってくる。

若さ故だろうか。
直向きに頑張っていたと思う。
様々なことに。
結果、失敗もしたし、泣いたし、たくさん笑った。

今は、多少余裕が出てきて、あんなに切羽詰まることはない。
ゆるく気ままに生きている。

お香の先に火を点す。
あの時の香りが部屋いっぱいに漂っていく。

当時のキラキラした気持ちを再び思い出させてくれた。
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Love & Peace

2009年11月24日 22時31分44秒 | Weblog
吉熊上司に、マクドナルドのコーヒー無料券をいただいた。美味しい。
冷えた体があたたまる。
ごちそうさまでした。

そうそう。
マクドナルドって、関東では「マック」と略すけれども、関西では「マクド」と呼ぶらしい。高校時代、雑誌で読んだ。

今朝は色んな人に一気に頼まれ事をされて、頭がこんがらがった。
また、午後からは引き続き予算の作成。
他部署の気難しい次長に
「来期、あの消耗品、どのぐらい使いますかねぇ~?…ええ、概算を教えていただければ。はい、すいません」
と訊いたりしていた。

彼とは先日、打ち解けた。
私がとべ動物公園で購入したピースのファイルを使用していたら彼が声を掛けてきたんである。
「あ!ピースだ」
その眼差しは少年のようであった。

え?
何で分かるの?

ポカーンとしている私に彼はマシンガンの如く、ピースについて熱く語ってくるではないか。
しかも彼、まだ幼い頃のピースを見に行ったらしい。しきりに「かわいいよなぁ」とデレデレしていた。
こんな近くにピースを見に行った人がいただなんて。
しかも気難しい彼がねぇ。
それからというもの、彼への書類に添付するメモはホッキョクグマの絵柄のものにしている。

「今、忙しいんだ。明日までに数字をまとめておくから。ごめんな」
彼は済まなそうに電話を切った。

つかみはOK!

ピースのお陰で、第一関門を無事に通過できそう。

ありがとう。
白クマ・ピース。


クマは社内を円滑にさせる。


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「晩年の子供」(山田詠美)

2009年11月24日 01時54分39秒 | Weblog
土曜日の晩は、妹の部屋のベッドで寝た。寝付く前に、持ってきた小説を読んだところ、これがスゴかった。

「晩年の子供」(山田詠美)

子供の頃を描いた短編集。子供って意外と色々なことを感じている。したたかに、繊細に、柔軟性を伴って。本書は、私にもそんなことがあったなあということを思い出させてくれた。一晩で一気に読んでしまった。

隣の家に年老いた母と暮らす薄幸そうな女性を子供の視線で描いた「桔梗」。
女性が着ていた着物の紫、桔梗が月夜に照らされている様子、隣家へと流れる小川のせせらぎ…視覚的かつ聴覚的快楽が臨場感とともに胸にしみてきた。

教科書にも掲載された「ひよこの眼」も良かったが、中でも深夜の私を号泣させた「海の方の子」は特に心が震えた。

転校先の小学校で恙無く生きる久美子。いじめられっこの哲夫くんが気になって仕方ない。
「可愛そうな哲夫くん…」
と思いつつも、
「哲夫くんを可愛そうだと思っている自分」
に酔いしれていることも十分に自覚している。
上から目線で彼に近づき、下校時、彼の住む「海の方」へ哲夫と一緒に帰る。

そのときの哲夫の言葉が印象的だった。
「…おれ、自分では可哀想そうだなんて思ってねえもん。学校のやつらと口をきかないのは、あいつらが、おれを可哀想だと思い始めるのが面倒なのさ。人を可哀想だって思うのって気持いいだろ。冗談じゃねえや。おれ、そんなら嫌われてた方がいいや。…」
稲刈りが済んだ田んぼの中。脱穀した稲を積み重ねたわらの山に寄りかかり、二人は語りながら絆を深めていった。
金色に染まっている田んぼが、なんだか夕方の海に見えた久美子。

「な。やっぱ、そう思うだろ。海、ちゃんと見えるだろ」
と、哲夫。


こんな小学生、いるんかー?とも思ったが、逆に、こんな感受性豊かな小学生でありたかった、とも思った。

最後、子供にはどうすることもできない事情で久美子はその学校を去ることになる。
いくら、大人並み、あるいはそれ以上の深い関係性を築こうが、大人の事情に付随する現実には抗えないのである。
子供の無力っぷりが泣けてくる。
別れのシーンが泣けてくる。
嗚呼、今思い出しても…。
あのラスト1ページは捲る度に泣いてしまうだろう。
今後も。



追伸:妹へ。枕を相当濡らしてしまいました。カビが生えたらごめんなさい。
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