世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

雨は夜更け過ぎに…

2009年12月08日 | Weblog
クリスマスという年中行事には気分的にあまり積極的になれない。
雨は夜更け過ぎに雪へとは変わらない。
絶対に変わるもんか。

どうしてこんな風になってしまったのだろうか。
子供の頃はあんなに楽しみにしていたのに。

子供の頃。
24日は、学校から帰ると、母と一緒にクリスマスケーキを作った。レシピなんてないから適当。スポンジが膨らむか否かは出来上がるまで分からなかった。
夜、仕事から帰ってきた父を交え、ツリーに飾りつけをして、クラッカーなんか鳴らしちゃったりなんかして。シャンパンの音にビビって…。
翌朝、親サンタさんはきちんとプレゼントを用意してくれていた。添えられているカードには、マジックで「Merry Christmas!」など書かれていた。きっと親は慣れない草書体を書くことに苦労したのだと思う。

そんな深き愛に包まれていたクリスマスを過ごし、草書体でしたためられたクリスマスカードを眺めながら、サンタは確実に実在すると中学1年生まで頑なに信じていた。

なのに!
私ってば、どこでどうやさぐれてしまったんだろうか。
やはり、あれだ。
この業界に入ったのが要因の大部分を占めているに違いない。

私のいる業界は主に歳末に活気づく。年間売上のおおよそは、この時期によるものだ。

クリスマス→歳末商戦→販売応援→店舗スタッフに気を遣う…2000年に入社してから9年。一昨年までは本社にいる私も毎年店舗に販売応援に行かされていた。見知らぬ土地に行って販売をするのである。
「売るぞ!」という気持ちになるよりも、足手まといにならずに、いかに店舗スタッフに嫌われないかが私の最重要課題であった。下手に高いものを売ると気が引けるし、安いものばかりを売ると店舗にいる新卒の子が可愛そうだ。
接客も怖い。何を話していいかわからなくなる。
結果、ひたすらガラスケースを拭き続けている自分に気づく。もしくは商品陳列の直し。
当社は基本的に上下関係が大変厳しいので、そういうことをしている私に気づくと新卒がすっとんでくる。「私がやりますから!」と形相を変えながら。
「いいですよ。私、これしかできないんで(むしろこれをやりたい。やらせてくれ!たのむ)」と言っても、教育が行き届いた新卒は私の手に握られたガラス拭き用の雑巾をぶんどってまで気を遣うのである。

そんなこんなで、店内に轟くクリスマスソング(主にマライアキャリー)を街中で聴くといまだにげんなりとしてしまう。

そんな私だが、実はクリスマスカードを書くのは大好きだ。
格式張った年賀状書きよりも好き。
毎年毎年、友達や家族に送っている。

今日は退社後に文具店に寄り、クリスマスカードを購入した。
特に楽しみにしてくれているのが実家にいる母ヨーコたんである。
彼女は全面的にクリスマスというイベントが好きである。
そして、雨は夜更け過ぎに雪へと変わるに違いないと思っているっぽい。

かつて私が送ったクリスマスカードをいつも茶の間の柱に掲示してくれている。

あんなに愛情溢れるクリスマスを企画運営してくれた両親。もしも私が親だったら、絶対にあんなことはして子供にしてあげられないと思う。

だから。
せめてものお返しと、両親には毎年格別の思いを込めてクリスマスカードをしたためている。
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