世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

おふくろの味

2011年03月01日 21時05分54秒 | Weblog
全日本マザコン選手権大会などというものがあったら、私は間違いなく関東ブロック甲信越代表になれんじゃないのか?と思う。
それほどまでにマザコン。
ドラえもんのスネ夫なんて目じゃない。
あっちは小学生。
こっちは33歳独身OL。
依存性の厄介さはこちらの方が高いだろう。

そんなことを母ヨーコたんに言おうものなら
「ふん。甘ったれってんじゃないよ!!!!」
と、激怒されてしまう。
片思い???
なので、20回思ったら1回ぐらい、口に出してみる(石田純一か?)。

先日の帰省の際、母ヨーコたんが焼きおにぎりを持たせてくれた。
今夜はその上にチーズを乗せてチンしてみた。
久しぶりに料理っぽいことをした。
醤油味と香ばしさ、チーズの風味が口いっぱいに広がり、満足。
美味しい。

最近、聞いた話。
話の主…彼は30代半ばなのだが、両親が他界している。
亡くなる前、既に両親は離婚をしており、彼の母親は女手一つで彼とその兄を育てた。
父親はギャンブラーで借金があったそうだ。
ずっとずっと働き詰めで、友達もいなかった彼の母親。
晩年は彼の身の回りのことをしかすることがなく、彼はそんな母親を「鬱陶しい」と思っていた。
そうこうしているうちに、彼の母親は病気で他界。
「親は大切にした方がいいですよ」
と言っていた。

彼のお母さんは、きっと幸せだったんじゃないかなと思う。
生前、一生懸命に働いて育てた息子が、こんなにも立派になって。
男性だから言葉や態度にあからさまに出さなかったにせよ、息子からの感謝の気持ちを察知していたんじゃなかろうか。
それに、愛情を注げる相手がいるということは、それだけで幸せだと思う。

唐突の告白だったので驚いてしまい、何もコメントできずに、ただ頷くのが精いっぱいだった。
「ごめんなさい。こんな辛気臭い話、しちゃって」
彼は静かに笑った。

帰宅して寝る前、その話を思い出して、私は泣いた。

愛情を注ぐだけではダメだ。
両親が愛情を注ぎたくなるような娘でありたい。
それが私ができる親孝行なのではないだろうか。

おかあさん~となりのトトロ~ 井上あずみ

恋をしているの 本当は夫だけを愛していたいのに

2011年03月01日 21時01分18秒 | Weblog
映画「スイートリトルライズ」をレンタルして観た。
気にいった劇中の台詞
「恋をしているの 本当は夫だけを愛していたいのに」


ぶっちゃけ、不倫ものである。
なぜ、私がこの作品を観ようかと思ったのか。
理由は二つ。
・主人公がテディベア作家だから。
・大好きなドラマ「ハゲタカ」の鷲津政彦役だった大森南朋が出ているから。

そんな安直な軽い気持ちで観たのだが、良い作品で得した気分だ。
たぶん、また観ると思う。

テディベア作家の岩本瑠璃子(中谷美紀)とIT企業に勤務している岩本聡(大森南朋)の夫婦には子供はおらず、今でも恋人同士のような穏やかな雰囲気がある。
しかし結婚して数年を迎える2人は自然と肉体関係はなくなり、聡は鍵をかけた自室でTVゲームをする時間が増えている。
用事があると携帯電話で聡を呼び出す瑠璃子たちの関係は、聡の妹からはおかしな夫婦だと呆れられているが、瑠璃子は自分たちが繋がっていると信じていた。

非売品のベアを譲ってほしいと電話で懇願していた津川春夫(小林十市)が、瑠璃子のベアの個展にやってくる。
瑠璃子は春夫の実直さに心を打たれ、そのベアを譲る。
その後2人はレンタルビデオ屋で再会し、恋に落ちる。

聡は大学のダイビングサークルのOB会で、後輩・三浦しほ(池脇千鶴)と再会する。
聡に好意を寄せるしほは、積極的に聡にアプローチする。
聡も次第にしほに惹かれ、デートを重ねる。


中谷美紀演じる妻・瑠璃子はまるで浮世離れした女神のようだった。
現実味がなく、いつも抽象的なことを呟いている。
聡との「煙草は1日10本だけ」という約束を「くだらない約束ほど守らなくっちゃ」と健気に守っている。
(私だったら守らない)

家事や仕事をきちんとこなし、夫に尽くしている瑠璃子。
私が楽しみにしていたテディベアの製作シーンもあり、大変興味深く観た。
クマをデザインし、布を裁断し、縫って中に綿や藁(?)を入れる。
目の位置を定めて付けると、一人のクマが完成する。
このシーンは4回ぐらい観た。
うちのクマたちもこんな風に生まれたのかな、って思いながら。

瑠璃子にどこか息苦しさを感じる夫役の大森南朋。
「ハゲタカ」の眼鏡&スーツ姿も良いが、普段着姿もかっこいい。
しほという小悪魔女にいとも簡単にやられてしまうところにはガッカリした。


携帯電話で部屋にいる夫を呼び出すだなんて、なんて合理的なのだろうと思って観ていたんだが、やはり世間的には変なのだろうか。プライバシーが尊重されていいと思うんだが。
こんな夫婦もいていいんじゃね?
結婚していないからよく分からないけれども…。

「恋をしているの 本当は夫だけを愛していたいのに」
という瑠璃子の台詞は、道徳的にどうこうと言わせない何か強い力があった。
それだけ、この作品で中谷美紀演じる瑠璃子の絶対的な存在感は光っていたのである。
「人は守りたいものに嘘を吐くの」
と言われれば、
「はい、そうですね」
と頷かざるを得ない強さ。



全体に流れる空気や透明感がとても印象的だった。

映画『スイートリトルライズ』予告編