世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

コンプレックスとの戦い ~何がキミの幸せ?~

2012年11月25日 19時48分56秒 | Weblog
半期に一度の縮毛矯正。

私のコンプレックスの一つに、髪がアレ、というどうしようもないものがある。
幼いころから「他の友達とは違うな」という疑問は、歳を増すごとに(色気づくにつれて)、自分の髪質が特異なものであるという認識に漂着した。
縮毛、多い、太い、所々金髪…。特に前頭部がチリチリしている。小学生のときなんて、男子にアメリカ人と呼ばれていたっけ。ええ、高橋君という男子に。
幼少時代、短い髪型を強要されていたせいか、その反動で、ロングヘアには壮絶なこだわりを持つようになった。大学時代はボブやパーマヘアにしたこともあったが、どうも落ち着かなかった。最近では前に垂らした髪を臍の横辺りでいじれないと情緒不安定になってしまう。
大人になってある程度小銭も入り、給料の幾分かをトリートメントや縮毛矯正貯金に回すことができるようになった。アメリカ人だといじめられていたあの頃の自分とは違う。さらさらの髪をいじりながら、はっはっはっ!と高笑いする自分。

私が通う美容室は池袋の「キャラ・シャローネ
マイミク・セッキー殿にお世話になっている。もう13年ぐらいになるだろうか。髪は長い友達っていうが、セッキー殿とも長い付き合いである。こんな難毛の私の髪を綺麗に仕上げてくれるお方は他にはいないだろう。

私がいつもやってもらう縮毛矯正は「Mr.ハビット」というもので、「究極の縮毛矯正」と言われている。どんなくせ毛でも真っ直ぐにできるという魔法の施術である。1液を流した後、ブローするのだが、これが男性2人がかり。この縮毛矯正は、ブローで技術の差が出るらしい。セッキー殿にお任せする理由の一つに、彼のブローする際の力強さがある。
ブロー中は渡された雑誌を熟読し、そして、持参した本を読んだ。なんせ多い髪なので、ブローには時間がかかる。この上ない読書タイムである。
2液を塗られ、放置。

今日はかなり混むらしく、朝イチで入店した。お店にいる間、引っ切り無しに電話がかかってきていた。本格的に到来する冬を前に、みんな、お洒落をしたくなるんだろうか。


毛先5センチを切ってさっぱり。

「ブログに載せますので、撮影、お願いします!」
と、セッキー殿にちゃっかりお願いする私。




4時間で生まれ変わった。


「何のために働くのか?」と訊かれたら、私の場合、「縮毛矯正をかけるため」と言っても過言ではない。
アンパンマンに「何がキミの幸せ?」と問われれば、私の場合、やはり「縮毛矯正をかけたあとの髪の指触り」だと答えるだろう。
中毒というか、なんちゅうか。コンプレックスが落とす影というものは、その人の心を無意識のうちに束縛する。
「どうせ私、くせ毛だし」という無意識のうちに発生する意識は、場合にっては、何かの行動を起こす際、悲しいぐらい強烈な力を以て私を拘束する。それが取り除かれる快感は筆舌しがたい。


これから暫くは、暗い過去の自分を忘れることができる。
また稼いで貯金して、縮毛矯正かけよう。
来年の初夏ぐらいに。

楽しみだ。


中二の時、さらさらヘアになりたくて、近所のカワチで初めて自分のお小遣いで買ったシャンプー。
エチュール。
KATSUMIの「Just time girl」、神曲!!

エチュール CM






The Art of Gaman 尊厳の芸術展

2012年11月25日 18時49分18秒 | Weblog
美容室のあと、上野まで足をのばした。
すっかり紅葉した木々@上野公園




東京藝術大学 大学美術館へ行ってきた。
The Art of Gaman 尊厳の芸術展





芸術展:強制収容日系人の尊厳残す作品 台東・東京芸大美術館で来月9日まで /東京
(毎日新聞 2012年11月21日 地方版)
 太平洋戦争中のアメリカ西部で強制件収容された日系人が制作した美術工芸品などを集めた「尊厳の芸術展」が、台東区上野公園の東京芸術大学大学美術館で開かれている。
 同大学とNHKが主催。困難の中でも人間の尊厳を失わなかった日系人の作品を通して、東日本大震災から復興する日本人を見つめる機会にするのが狙い。収容所の地中から掘り出した貝殻を使った精巧なブローチや、身近な木材や石、布などを材料にした彫刻、日本人形、すずり、絵画など芸術性の高い工芸品や日用品約110点を展示している。
 内覧会では、芸術展を企画したカリフォルニア在住で日系3世のデルフィン・ヒラスナさんが「収容所に監禁された人々の、強い精神力や豊かな創造性を感じ取ってほしい」とあいさつした。
 12月9日まで。入場無料。開館時間は午前10時〜午後5時、月曜休館。芸術展は13年2月から9月にかけて、福島、仙台、沖縄、広島を巡回する予定。【浅田芳明】



この記事を読んだとき、直感で行きたくなったのである。

偉大な作家や芸術家の作品ではなく、高価な道具も材料もなかった人たちの作品。着の身着のまま強制収容所に連れてこられた人たちは、身体は強制収容所に連れていかれても、人間の尊厳までも差し出さなかった。
これからアメリカ人として生きる子どもたちが、アメリカに対して反感を抱かず、前向きに生きてほしいという願いから、それらの作品はガレージの奥などで長期にわたり眠っていた。


松の木でできたクマ。毛並み、躯体の流線が超リアル!今にも動き出しそうなほど。








玉ねぎの袋で作られた煙草入れ




家具なども自分で作らなければならなかった。

引き出し。
取っ手の部分がスペードやハート、ダイヤやクローバーになっていてお洒落。



イスとテーブル




日本人形



今回の作品展のきっかけとなったブローチ。
日系3世のデルフィン・ヒラスナさんが、母の遺品を整理する中で偶然見つけた木製の小鳥のブローチ。



この葡萄、実の部分はなんと貝殻でできている。













茶碗とお箸
茶碗の蓋に施された模様、素敵。



浜辺の貝や枯れ枝が、こんなに素敵な「作品」になるだなんて。
ただただ驚く。




私は我慢が苦手である。創意工夫も苦手。よく仕事で「工夫が大切」と言われるが「?」という感じである。
母なんて、けっこう工夫が大好きで、実家に帰る度に驚かされることが多い。
料理や編み物など。
そう言えば、彼女の父、私にとっては祖父だが、彼も手先が器用だった。兵隊に居た時に貝殻と木の枝でスプーンをこしらえた話など聞いた。幼い私や従兄弟の為に、竹で桶と柄杓を作ってくれたこともある。

じゃあ、何で私は我慢や創意工夫が苦手なのだろう、と考えると、やはり生活が豊かになったから。創意工夫や我慢といった能力を養う機会がなかったのだと思う。恵まれてるんだか、恵まれていないんだか。きっと自分みたいな人間は、危機が迫った時に、真っ先に淘汰されていくのだと思う…。

そんな自分にとって、この作品展は驚きの連続だった。



芸大隣の奏楽堂


ライトアップされていて綺麗。


三連休もあっという間に過ぎ去ろうとしている。
休日なのに、実はあまりよく眠れなかった。寝汗が酷い。

来週も忙しくなりそう。
体力温存のために、今夜はパックして早く寝よう。