大橋むつおのブログ

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誤訳怪訳日本の神話・13『イザナギの三神・スサノオ・2』

2021-01-26 06:22:00 | 評論

訳日本の神話・13
『イザナギの三神・スサノオ・2』
    

 

 高天原(たかまがはら)というくらいですから、高い空の上にありました。

 そんな空の上に、スサノオはどうやって行ったか?
 むかし、スサノオの話をアニメにした『腕白王子のオロチ退治』というのがありました。たしか東映動画の作品で若き日の宮崎駿監督も参加していたと思います。
 アニメではアメノフチコマという空を飛べる馬に乗って行くことになっていますが、記紀神話では記述がありません。
 まあ。神さまだから行けたということでいいのではないかと思います。

「え、弟のスサノオがやってくるって!? なんなの、それはあああああああヽ(`#Д#´)ノ!?」

 スサノオが高天原にやってくるのを知ったアマテラスは、歓迎するどころか激怒して嫌がります。
 そうして、自分も他の神さまといっしょに完全武装してスサノオに立ち向かいます。
「なんだって、おまえが来るんだよ! おまえ、父ちゃんも持て余してたヤンチャクレなんだろがあ! 入ってくんな! こっち見んなあああ!」
「そりゃねーだろ! オレはワルサなんかしねーよ。ただただカアチャンが恋しくってさ、父ちゃんに言ったら、ネーチャンがカアチャン似だってっから……その、来ただけなんだし」
「ざけんじゃねーよ! あたしはカアチャンの代用品ってか!? おまえ、どんだけマザコンなんだよ!? ここはなリア充しか住んじゃいけないんだよ、さっさと帰れ、このウンコ!!」
「ウンコじゃねーよ! おいら、ただただ寂しいんだ。な、ネーチャン、ワルサしねーから、置いておくれよ……頼むからよ(;゚Д゚)」

 姉弟とは思えない冷めた関係です。アマテラスは、もうスサノオのことを敵認定したような態度です。

 前にも述べましたが、アマテラスは伊勢神宮の御祭神で、皇祖神であります。
 その皇祖神であるアマテラスが非常に警戒するのですから、ここにおけるスサノオは、大和政権に敵対した大きな勢力があったことの記憶が反映されていると見るべきでしょう。
 大和政権が確立するまでは、いろいろな対立や抗争があったんだと理解しておけばいいと思います。

「じゃあさ、神さま生んで、潔白を証明しようじゃんか!」

「え? 神産みだとお!? く、くそ、仕方ないわねえ……」

 スサノオの提言で、姉弟の神さまは、子どもの神さまを生みあうことになります。
 アマテラスが付き合うのは、こういう場合の潔白の証明は双務的に行うものだからです。

 例えば、握手とか敬礼に、この名残があります。

 握手も敬礼も右手で行います。
 右手は武器を持つ手なので、お互いに相手の右手を握ることで武器を持っていないことを確かめ合うのです。
 敬礼も同様に、右手を肩の上に掲げることで、武器を持っていない=害意が無いことを証明しています。
 ですので、世界中にある敬礼の中で、はっきり右手の手の平を見せるイギリス流が敬礼の元祖なのかもしれません。

 礼砲というのがあります。

 外国の港に軍艦が儀礼的に入港する場合や、逆に入港される場合は、20発前後の大砲を撃ちます。
 儀礼がなんで大砲を撃ちあうことになるのかというと、物騒な気がしますが、以下の理由があります。

 昔の大砲は一発発射すると、次の発射までには時間がかかりました。だから、大砲を撃ってしまうことで「撃ったあとは無防備」なので害意はありません。ということの表明になるからです。
 最近の軍艦は、礼砲専門の大砲を積んでいることが多いようです。いまの艦載砲は口径120ミリくらいで、昔ほどデカい音が出ません。かといって、主力武器のトマホークやハープーンなんかのミサイルをぶっ放すわけにのいきませんですからね(^_^;)。

 この項続きます。

 


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