すでに「電子書籍」の時代に入ったのか？

　私が初めて五木寛之の作品に触れたのは『日ノ影村の一族』で、それ以来、九州の日ノ影に行ってみたいと思うようになった。その線上にあるのが『風の王国』である。※→霧雨にけぶる二上山---五木寛之『風の王国』のコースを歩く
　私の好みに合っているのだろう。それで、新聞広告にすぐ反応したわけだ。
　まだ、最初の数頁しか読んでないが、これは革命的読書スタイルかも知れない。日本ではまだスタートしたばかりだろうが、アメリカではかなり浸透しているようだ。

　出版・読書界にさまざまな波紋を投げるであろう。ただ、これによって紙の本が売れなくなるとは思っていない。むしろ従来の出版界にはプラスに働くのではないか。今回の電子版『親鸞』がパソコン上で、誰でも自由に読めるということは、普段あまり本を読まない者、特にパソコン世代の若い読者が増える可能性がきわめて高い。無料ではあるが、印刷もコピーもできないという。ならば、パソコンで読んだ者が、もし気に入れば、書籍として手元に置きたくなるだろう。彼らの足が本屋に向かうことは想像に難くない。今回の無料公開は作者の希望でもあったと聞く。このスタイルが日本に定着することを期待する。