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行き帰りに見る「紅葉」
今年は紅葉の当たり年だ。早い時期から色づきはじめ、この調子では近辺のスポットも早々に手仕舞いになるかと思っていた。
ところが、いったん中だるみになったあと、朝晩の寒さが幸いしたのか思いがけない復活をとげたのである。
しかも赤みが一段と深くなる。ここ数年の記憶を手繰ってみても、日に日に魅力を増すケースは他に思い出すことができない。
白根山頂で紅葉のはしりを見たのが10月4日。きのう27日まで3週間あまり、紅葉は山頂から徐々に降りてきて、とりあえずロマンチック街道を南下したというわけである。
写真は中軽井沢から万山望に向かうルート146沿いの紅葉。照る日曇る日それぞれの色合いを見せてくれたが、これは雨上がりの一枚。
その間、一進一退があったことは始めに書いたとおり。
仕事や買出しの途中に眺め、感じた自分なりの印象を記すのだが、近年にない見事な色づきで、何はなくとも身近な自然の営みにふれられた喜びを感謝とともに留めておく。
二週間前には、144号三原橋経由で万座温泉方面に出かけた。この途中の紅葉も美しかった。
1050円の有料道路料金に見合う整備をしているからか、さりげない紅葉、黄葉の演出がわかっていても満足できた。
造園業者の手は、こんなところにも及んでいると思う。
そのままの自然を愛する一方、いかにも日本的な過不足ない手の入れ方も首肯できるのである。
さらに幾日かあと、東京に用事があって、国道18号に出るのに北軽井沢から倉淵・高崎線を通ってみた。
さしあたり二度上峠の紅葉が気になったからである。
ここの最盛期とは相性が悪く、遅いか早すぎるかのどちらかで、なかなかタイミングが合わない。
この日も少々盛りを過ぎていて内心やっぱりと落胆したのだが、標高が下がるにつれて燃え立つような色に遭遇し、このルートを選んでよかったと気を取り直すことができた。
わざわざ出かけたのは二回だけ、あとは先のとおり仕事や買い物の行き帰りで目にする紅葉である。
日光いろは坂や、吾妻渓谷方面が混雑しているとラジオで聞きながら、ついでに見られる紅葉も悪くないなと感謝する。
ちょっと森に入れば、人知れず色づく木々がやわらかな表情で迎えてくれる。
欲を言わなければ、畑の小松菜や蕪と直売所のトマト、キュウリなどで相応のおかずができる。
去年とり残したジャガイモが勝手に種芋となって、かなりの小芋を提供してくれたのも嬉しい誤算だった。
だから自然に感謝の気持ちが湧く。紅葉も野菜もありがとう。
南の島の写真と文章、拝見いたしました。さすがにのびのびとした雰囲気で、一週間余滞在した彼の地のエピソードを楽しみにしています。
その間、当地では日々秋が深まり、零下の気温にびっくりしたりしています。
長い間追いかけた紅葉もそろそろ終わり。里に下りて、都会でもイチョウなどの黄葉が美しくなるころかと想像しています。
コメントありがとうございました。
同じ日本に住みながら、こんな紅葉に接しられる人と、そうでない人の差があるなんて……。
あたしはあいにく後者で、秋が深まろうが、どうしようが、上の画像にあるようなシーンに接したことがありません。
それに、筆者が指摘されているように、過不足なく人の手が加えられているからこそ、こんな美しい秋が演出されてもいるのでしょう。
我が国の小ぶりな美がいかにも感じられますね。
でもさあ、このショットを見つけて、シャッターを切るまで、けっこうご苦労されているのでは。
あたしらを楽しませてくれるため、人知れず苦労されているであろうことに感謝します。
彩とりどりの紅葉のトンネル・・・美しいですね。
つい数ヶ月前若緑から濃い緑へ自然の萌えを見せてくれていたのが、今はこの朱と赤の乱舞。
自然は凄いなあ。
こちらが生きているからこそ観ることが出来愉しませていただける有難さで、感謝感謝です。
また窪庭さんの眼が見つけた美しい自然を見せてください。
知恵熱おやじ