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水曜どうでしょう 「迷走中」…最大の見所はエンディング?

『アキレスと亀』

2008-11-18 21:46:09 | 映画
最後に見たのは『TAKESHI’S』だったかも。

今作は意外ととっつき易そうなイメージだったし
シウの嫌いな暴力映画でもない感じだったので
見ることに。

けっこう面白かった。

見る前は芸術家の夫と、それを支える妻、
“夫婦愛”がテーマなのかな、
なんて勝手に思っていたけど、
全然違う。

ある意味“夫婦愛”ではあるんだけど
それがメインテーマでは決してない。

メインテーマは“芸術”(もしくは“芸術家”)

芸術、なんていう高尚チックなものに
北野監督がバッサリ、文字通りペンキを浴びせてる。
芸術という名の
アヤフヤなもの。
実に下らないし、あほらしいものなのに
人はそれをどうしても真っ向否定できないでいる。

芸術に魅せられたバカを
徹底的に感情を表に出さない
子役(吉岡澪皇)→柳優怜 → たけし の3人が
とっても上手く演じている。
唯一叔父さんの家に引き取られる時のバスの中で
真知寿が楽しかった時のことを回想して一瞬泣くシーンがあるんだけど
普通っぽかったのはそこだけ。
(この子役の吉岡君はとっても可愛らしい。)

芸術という魔力。

それを表現したいと芸術家になることに魅せられた男と、
何故かその“芸術家”に虜になってしまう女。

そもそも天才ってなんなんだ。
天才だと評価する人たちが
その天才の上を行く天才で無い限り、
その人が“天才”かどうか、
どうしてわかるんだ。

その人の上を行く天才がいたとすれば
その“天才”はもう天才では無いはずだから
世の中に本当に天才なんていないんじゃないのか。

皆どこかで妥協して
誰かを天才だと認める。
それは評価する人の器によるし、
もしかしたら経済力によるのかも。

お金の力で芸術を理解したふりをする人。
教養を金で買う人々。
そんな情けない人間の本性を利用して
金儲けをする人。

北野監督が
自身への自虐もこめて、
自分に高い評価を与える世間への
強烈なイヤミを放つ。

ホントいうと
自分の芸術なんて
人真似ばかり。
下らないものなのさ。
ってことなんだとしても
やっぱり普通じゃない人。

こんな風に
作品にたいして知ったような事を書いたりしているのは
きっと監督の思う壺なんだろうな。

アキレスと亀 - goo 映画



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