6月 7日( 火 )より
母の表情が随分柔らかくなってきました。
嚥下のリハビリを再開したのが、3日(金)。
「食べ物を認識しない」という意味がわかりました。
つまり・・・
目は食べ物を見ているのに
口を開けることができないのです。
あくびをするのも
ぐっと唇を閉じてするのです。
じゃあ、筋肉の問題かというと、
それだけでもないようです。
口の中を綺麗にするのに、
喉仏のすぐ近くをガーゼでこすっても
むせもしないのです。
ただ、冷たいものには反応しやすい。
もぐもぐするのを忘れるので、
氷水で冷やしたスプーンを舌に当てると、
ちゃんと思い出して、すぐ飲み込むんですよ。
なるほど・・・こういうこともあるんだ・・・
リハビリの先生から方法を教えていただいて、
昼食時にゼリーを食べるのを
私が手伝いに行っています。
20分でゼリー1/2個をやっと食べることができていたのですが、
今日は、20分でゼリー1個食べきることができました。
ほんとに少しずつですが、
全体的にも母は日に日によくなってきています。
母がゼリーを見ているのを確認して
ゼリーをすくって口にスプーンを持っていく。
口を開けることができないからと
無理にこじ開けようものなら、
あごに力が入ってしまうだけ。
スプーンを唇に当てたまま待っていると、
不意にふわぁっと力が抜けて
わずかに口を開く瞬間があるのです。
その時にスプーンを傾けると
チューと上手に吸い込みます。
この絶妙な間合いがうまくいくと
楽しいし、気持ちがいい!
「お母さん、上手、上手!」
と手をたたいてしまいます。
ゴクッ!
すごい音と共に飲み込む。
これまた、拍手ものです。
ゼリー1個を食べきり、
母は、うとうと・・・うとうと・・・
そうだよなあ。
「ひとくち」に全力を挙げているのです。
懸命に生きようとしているのです。
無理強いせず、母に合わせていれば、
少しずつだけど、
「あーん」と口を開ける日も遠くない。
こうして見ていると、心からそう思えてきます。
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