すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

「あーん」とする日も遠くない。

2011-06-07 | 素老日誌

6月 7日( 火 )より

母の表情が随分柔らかくなってきました。

嚥下のリハビリを再開したのが、3日(金)。


「食べ物を認識しない」という意味がわかりました。

つまり・・・

目は食べ物を見ているのに
口を開けることができないのです。

あくびをするのも
ぐっと唇を閉じてするのです。

じゃあ、筋肉の問題かというと、
それだけでもないようです。

口の中を綺麗にするのに、
喉仏のすぐ近くをガーゼでこすっても
むせもしないのです。

ただ、冷たいものには反応しやすい。

もぐもぐするのを忘れるので、
氷水で冷やしたスプーンを舌に当てると、
ちゃんと思い出して、すぐ飲み込むんですよ。

なるほど・・・こういうこともあるんだ・・・

リハビリの先生から方法を教えていただいて、
昼食時にゼリーを食べるのを
私が手伝いに行っています。

20分でゼリー1/2個をやっと食べることができていたのですが、
今日は、20分でゼリー1個食べきることができました。

ほんとに少しずつですが、
全体的にも母は日に日によくなってきています。

母がゼリーを見ているのを確認して
ゼリーをすくって口にスプーンを持っていく。

口を開けることができないからと
無理にこじ開けようものなら、
あごに力が入ってしまうだけ。

スプーンを唇に当てたまま待っていると、
不意にふわぁっと力が抜けて
わずかに口を開く瞬間があるのです。

その時にスプーンを傾けると
チューと上手に吸い込みます。

この絶妙な間合いがうまくいくと
楽しいし、気持ちがいい!

「お母さん、上手、上手!」
と手をたたいてしまいます。

ゴクッ!
すごい音と共に飲み込む。

これまた、拍手ものです。

ゼリー1個を食べきり、
母は、うとうと・・・うとうと・・・

そうだよなあ。

「ひとくち」に全力を挙げているのです。
懸命に生きようとしているのです。

無理強いせず、母に合わせていれば、
少しずつだけど、
「あーん」と口を開ける日も遠くない。

こうして見ていると、心からそう思えてきます。

 

 

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