鉛筆を売れ

2009年10月29日 00時30分54秒 | 意見・物申す
まずはひたすら読むべし


そのシーンは、映画のはじまりのころにあります。
映画がはじまって20分くらいたったところです。

久々に柴又に帰ってきた寅次郎はその晩、
甥の満男(吉岡秀隆)の話題で盛り上がる。

満男は大学を卒業後仕方なく入社した靴会社の営業の仕事をしている。
半年が過ぎた満男は、靴のセールスに嫌気がさし
家族に愚痴をもらしていた。

それを聞いた寅さん、近くにあった鉛筆を2本満男に差出し


「オレに売ってみな」


と言う。

満男はしぶしぶ、寅さんに売ってみる。


満男: 「おじさん、この鉛筆買ってください。
     ほら、消しゴムつきですよ」

寅さん:「いりませんよ。ボクは字書かないし
     そんなものは全然必要ありません! 以上!」

満男: 「あ・・・そうですか・・・」

寅さん:「そうです!」

満男: 「・・・」

寅さん:「どうしました? それだけですか?」

満男: 「だって、こんな鉛筆売りようないじゃない・・・」


まったく売れない満男に寅さんは、

「貸してみな」と鉛筆を取り上げ

しみじみとした語り口調で話しはじめます。


「おばちゃん・・・オレはこの鉛筆を見るとな、
 おふくろのこと思い出してしょうがねえんだ。

 不器用だったからねぇ、オレは。
 鉛筆も満足に削れなかった・・・

 夜おふくろが削ってくれたんだ。

 ちょうどこの辺に火鉢があってな。

 その前にきち~んとおふくろが座ってさ
 白い手で肥後のかみをもって
 スイスイ、スイスイ削ってくれるんだ。

 その削りかすが火鉢の中にはいって
 ぷ~んといい匂いがしてなあ

 きれ~に削ってくれたその鉛筆をオレは
 落書きばっかりして、勉強ひとつもしなかった

 でもこれぐらい短くなるとな
 その分だけ頭が良くなったような気がしたもんだ」


しみじみとした寅さんの話はつづき、
それを聴いていた家族の人たちは
みんな鉛筆が欲しくなるんです。

実にうまい!

家族中の人が感服しいている中で寅さんは言います。

「おれの場合はね、今夜この品物を売らないと
腹すかして、野宿しなければならないってこともあるのさ。
のっぴきならないところから絞り出した知恵みてえなもんなんだよ」

そして満男に言います。

「人間なんつ~っても、やっぱり勉強が第一だから
 なっ、これからも修行して、一人前の会社員になってください」


寅さんは、満男に

「物を売るってことは、こういうことなんだ」

と持論を体験させるわけです。


さて、ここからが私の記事です。
毎日、プレゼン練習をしてるわけですが、
先輩によく言われるのがコレ↓
“質問事項に単刀直入に行きすぎもっと前置きを!”

私自信としてはただでさえ、忙しい先生の時間を取らせないよう
要点だけを絞って質問しようと心がけてたわけですが
先生も人間なわけで、気持ちが大事だそうです。

そういえば就活してる時に
「僕らの仕事は先生にやる気を出してもらうこと!」
なんて聞いたなぁ

そう思ってると、先生にやる気をだしてもらうには
如何にして、話を持っていくか。
寅さんのエピソードを思い出しました。

ちなみに男はつらいよ第47話 拝啓車寅次郎様 です。
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