通勤電車の中で気軽に読める本を探して発見した、浅田次郎の自伝エッセイ『勇気凛凛ルリの色』を読む。
浅田次郎作品は「鉄道員(ぽっぽや)」や「椿山課長の七日間」などすでに映画化された作品など、数多くの作品を発表されてるベストセラー作家であるが、どういう訳か私はいまだに映画も含め全く読んだことがない。
本作は、いろんな方のレビューでとにかく面白いということで選んでみたんだが、実際に読んでみると、まったく面白い。
っていうか、浅田次郎なる作家のなんと破天荒なことか。まずそこに驚いてしまった。
まず自衛隊に入隊し、その後の堅気とは程遠い、ネズミ講やら取立て屋やらと、とにかくすさまじい人生を歩んでおられるのだ。
そんな人の回顧録なんだから、面白くないわけがない。
とりわけ面白かった話が、「NGについて」というタイトルで語られる、自衛隊入隊時の国賓を迎える時に行う軍隊礼での出来事。
この話だけは、満員の電車内にもかかわらず吹いてしまった。
あと私の好きな作家のひとりである太宰治が、すこぶる嫌いだという「太宰治について」では、どうしても好きになれないといいながらも、めちゃめちゃ意識しているところがまた可愛い。
好評につきなのだろうが、同タイトルのものがあと2冊出版されている。
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