少し偏った読書日記

エッセーや軽い読み物、SFやファンタジーなどの海外もの、科学系教養書など、少し趣味の偏った読書日記です。

パンクなパンダのパンクチュエーション

2023-06-09 21:45:22 | 読書ブログ
パンクなパンダのパンクチュエーション(リン・トラス/大修館書店)

これは、4月に紹介した『図書館司書と不死の猫』の作者リン・トラスの作品。

パンクチュエーションというのは耳慣れない言葉だが、「句読法」と訳されている。句読点の使い方、ということだが、文法書ではなく、句読法をテーマとするエッセー。

内容は、「アポストロフィーやコンマの使い方がひどく乱れている。」という、文章の乱れに対するぼやき。例えば日本語の乱れを嘆くのと同様の趣向だが、そこはイギリス流のユーモアで、句読点の使い方で意味が変わる例や、間抜けな誤用を挙げながら、ひととおりの句読点を取り上げていく。

感想を少し。十分に面白いが、もう少し英語に堪能であれば、もっと楽しめるはず。また、アポストロフィーやコンマの使い方は、それなりに学習した記憶があるが、コロンとセミコロンの違いは、誰からも教わらなかった気がする。今回、その違いを理解できたのは、思わぬ収穫だった。

苦言も少し。誤字脱字が多い。また、女性の話し言葉で訳されている部分が気になる。ラジオ番組から生まれた本なので、その雰囲気を出そうとしたのかもしれないが。

最後にタイトルについて。原書のタイトルは
Eats, Shoots & Leaves
(食べ、撃ち、立ち去る)で、
(竹の)芽や葉を食べる
(eats shoots and leaves)
パンダが、余分なコンマのために、奇怪な行動をとる動物になってしまった、という趣向。

「版元ドットコム」に書影がないので、猫画像の中に写りこませる。(県立図書館が所蔵せず、主要書店に在庫がなかったので、もしかしたら県内に1冊しかないかもしれない。)

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