嘘の木(フランシス・ハーディング/創元推理文庫)
色々な読み方ができる作品。
舞台は19世紀後半、ダーウィンの進化論が発表された直後の英国。主人公は14歳の少女。
主人公の父は、翼のある人類の化石を発見し、一躍、注目を浴びるが、それが捏造だといううわさが流れ、世間の目を逃れるために島へ移住する。しかし、その島にも噂は届き、主人公の父は不可解な死を迎える。
という設定で物語が始まる。
殺人事件の犯人を捜す物語、ともいえる。
少女の成長物語ともいえる。
あるいは、現実には存在しえない事物を前提としたファンタジーともいえるし、進化論の行く末を論じる科学もの、ともいえる。
いずれにしても、ビクトリア朝のイギリスを舞台に、子どもであることと女性であることの制約に、全力で抗おうとする少女が描かれている。読書の楽しみに満ちた作品なのだが、少しだけ、私の苦手な「怖いもの見たさ」の要素も入っている。
そして、そのすべての焦点は、題名にあるとおり、「嘘の木」にある。
児童文学の賞を受賞しており、児童文学であることは間違いないが、優れた児童文学がその枠を易々と超えていくのもよくあることだ。
画像は「イラストAC」から
色々な読み方ができる作品。
舞台は19世紀後半、ダーウィンの進化論が発表された直後の英国。主人公は14歳の少女。
主人公の父は、翼のある人類の化石を発見し、一躍、注目を浴びるが、それが捏造だといううわさが流れ、世間の目を逃れるために島へ移住する。しかし、その島にも噂は届き、主人公の父は不可解な死を迎える。
という設定で物語が始まる。
殺人事件の犯人を捜す物語、ともいえる。
少女の成長物語ともいえる。
あるいは、現実には存在しえない事物を前提としたファンタジーともいえるし、進化論の行く末を論じる科学もの、ともいえる。
いずれにしても、ビクトリア朝のイギリスを舞台に、子どもであることと女性であることの制約に、全力で抗おうとする少女が描かれている。読書の楽しみに満ちた作品なのだが、少しだけ、私の苦手な「怖いもの見たさ」の要素も入っている。
そして、そのすべての焦点は、題名にあるとおり、「嘘の木」にある。
児童文学の賞を受賞しており、児童文学であることは間違いないが、優れた児童文学がその枠を易々と超えていくのもよくあることだ。
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