三太郎一家・福猫はどの子!PART7(完結編)

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オイラ君の最後

2022-10-12 15:23:46 | 保護ねこを看取るとき

多くの猫の看取りを行ってきました。看取り経験が浅い時期は、よく泣いていました。

死に対する恐怖。何かもっとできたのではないかという後悔。若い猫の死は特別に辛い。

落ち込むことが多かったです。看取りの回数が増えるにつれ慣れがきました。

生ある者はいつか死ぬ。病気には勝てない。医療費には限界がある。

自分ができることは、苦しみを減らし穏やかな死を迎えさせること。それは自然死。

食べたくない子に、無理やりは食べさせない。苦しみの有る延命はしない。

人も多分、食べないで脱水して枯れるような死が一番楽なのではないかと思っています。

最近は泣かなくなりました。看取った後、悲しいではなく虚無感が充満します。

居ないのに、その子のご飯を無意識に用意しようとします。その子の好きなご飯を選び、

皿を用意しようとして「あーもう居ないんだと」手を止めることが多くあります。

いつも居た場所に姿が見えることもあります。見えるのではなく浮かぶのでしょう。

消えるまで時間は掛かります。

オイラ君は、とても手がかかる子でした。

多頭飼育崩壊猫で、特異な育ち方をしていました。

暗く締め切った部屋で、キャリーバッグに閉じ込めたままの飼育。

ご飯は一日一回。牛乳と缶詰。7年もそれを継続していました。

キャリーバッグの中には新聞紙を敷き、それを毎日交換していたとのことで、

身体は汚れてはいませんでしたが、部屋中、ゴキブリが何千匹もいて匂いが凄かったです。

想像できますか?小さなゴキブリが沢山、壁を集団でサワサワと走る様が、

今も目に焼き付いています。壁が黒く、それが動く。悪夢でした。そこから保護したのは10匹。

崩壊猫の看取りは、オイラ君で最後。やっと責任を果たしました。

オイラは大らかな性格で、人を怖がることはなく食欲の鬼。

とにかく常に食べていたい猫でした。飢餓状態を経験したのか、持病の巨大結腸のせいか。

質の良いウンチを出すために、ずーと意識して食べさせました。

療法食(消化器サポート可溶性繊維)を長く続け、高齢になってからは、それを嫌うようになったので、

大量のウエットで、常に満腹にしていました。排泄を見ながら、食べ物を選び調整しての飼育でした。

もちろん粗相はします。トイレ以外での排泄は普通でした。お尻を床につけたまま、擦りつけ移動するので、

床にはウンチの道が残ります。そしてウンチが詰まると吐く。大量の水を飲み、それも吐く。

清拭、消毒、消臭の日々。排泄に問題がある猫の飼育は、一番大変だと思う。

オイラが死んで、その作業がなくなり気が抜けていました。床を拭く回数が減りました。

病院に行って1週間くらいは食べていましたが、その後は水しか飲みませんでした。

飲んでは吐いていました。好きなウエットを鼻の先に置くと、嫌がって移動するのです。

だんだんと冷たい場所で眠るようになって10月4日に死亡。7歳で保護して15歳で死亡。

最後の2日は動けなくなったのでケージに入れました。横たわり眠ったままの死でした。

多分、楽な死に方だと思います。後悔はありません。

 

オイラくんが死んで、気を抜いていた数日後の早朝に

脳挫傷の羽ちゃんが「ギャー」と叫んだ。熟睡していた私は飛び起きましたが、

すぐに状況が分からず、誰かが喧嘩していると思い部屋中をウロウロ。

やっとケージの中の羽ちゃんが、痙攣していることに気がつきました。これで痙攣は3、4回目。

叫んだのは初めてで、痙攣の時間も長く感じました。羽ちゃん9歳。

これから何が起きるのだろうか。てんかんは、頻繁に繰り返すようになったら投薬が必要になると聞いています。

まずは、獣医さんの意見を聞いてみます。寝たきりの猫の飼育は、最初で最後が希望。

飼育ではなく介護だと思ってやっています。規則正しい生活。常にきれいな環境を作り、身体に良い食べ物を与える。

適度な水分補給。食事の管理は排泄の管理。愛情無しではできない飼育です。

羽ちゃんが死んだら、私はどんな精神状態となるのか。燃え尽きるのか。

とりあえず長時間の外出となる、お寺のお掃除のバイトは辞めました。

帰宅したら死んでいたは、できたら避けたい。きちんと看取りたい。その後で、燃え尽きます。

盲目、歩行できない寝たきりでも喜怒哀楽がある。

ブラッシングをしてあげると、自分で手を一生懸命舐めます。自分で毛繕いを始めるのです。

ここ3年で保護猫の数が減り、羽ちゃんに使える時間が増えました。

入浴の回数を減らし、朝晩のブラッシングと清拭で汚れを取る。身体に触れる時間が長くなった。

それで気が付いたのです。頭を撫ぜるとゴロゴロ言います。抱っこが好きです。

普通の猫と変わりません。可愛い子です。

 

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