つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

斎藤茂吉 書 いそぎゆく・・・

2012年06月14日 | 斉藤茂吉

 

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この季節になると毎年このお軸を出し鑑賞します。

斎藤茂吉 軸 書 茂太箱 いそぎゆく・・   です。

 

いそぎゆく 馬の背中の氷より 雫は落ちぬ 夏の山路に

 

大正14年 歌集 「ともしび」 箱根漫吟 のなかの歌です。

氷を背負う馬・・という情景を今の日本では想像をすることすらできません。

けれど茂吉らしい写実的な表現で、馬の氷から雫が落ちる音が「ぽとっ、ぽとっ」と聞こえてくるように感じ、茂吉の文字と洒脱な表装があいまって、趣のある作品にできあがっています。

 

 

 

 

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吉川霊華展

2012年06月14日 | おススメの展覧会、美術館訪問

 

 
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次に行きたい展覧会は東京の吉川霊華展です。 なかなか珍しい、しかも質の高い展覧会だろうと楽しみにしています。

以下展覧会パンフレットより画家の紹介文を抜粋させていただきます。

 

吉川霊華(明治8年~昭和4年)

霊華の作品の魅力はその線にあります。細く、速度をもってリズムカルに継がれてゆく線が、山となり雲となり、人をかたちどったかと思えば、余白に散らされた仮名となる。書も画も一体となったようなその独歩の世界に息をひそめて近づくと、かすかに、たとえようもなく美しい音曲が聞こえてくるはずです。

霊華は金鈴社という舞台を得て画壇にその名が知られるようになっても、帝展などの大きな展覧会からは距離を置き、孤高の芸術を拓きました。その信念は「正しき伝統の理想は復古であると同時に未来である」という言葉に現れています。

 

吉川霊華展(近代にうまれた線の探究者)  東京国立近代美術館 7月29日まで

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