すっかり忘れてしまっておりました。慌てて「浮き上がるマリモ」を一点掛けにさせていただきました。
「浮き上がるマリモ」と「娘と牛」を並べてみると、全く性質の違う作品に見えて、本当に同じ画家が手がけた作品ですか?
と改めて聞いてみたくなってしまいます。
結局「浮き上がるマリモ」は「どこに飾ってもらっても私はわたしよ!」という感じで、いつもと変わらずの表情を見せてくれています。そういう意味の個性の強さはこの作品が1番なのかも知れません。
上の二つの作品画像。少し暗めと明るめで撮影してみました。
背景の色の見え方の変化に伴ってマリモの緑色も変わり、奥行きや立体感に違いが出るように思います。いかがでしょうか。
結局一点移動させると他の作品も掛けかえないと気が済まなくなるのが難です。
「たわわの柿」「つたの塀と鉄の門」など60年代の作品もとても良いなぁ〜と富岡鉄斎を見てきた眼でも、そう感じます。
甘さがあるように見えて、全く甘さを感じさせない作品ということが言えるのだと思います。
結局最後まで、お悩みくださる各お客様へのオススメの一点を選びきれないでおります。
山口薫展は、そういう意味で、つまり納品という意味で予想外に難しい展覧会になりました。
どなたにどんな作品がお似合いなのか??全くわかりません。
あえてオススメしないというのではなく、どれをオススメしたら良いか?わからないというのが本音です。
きっとこのまま困ったなぁと思いながら展覧会を終えるのだと思います。
そして、終わってしまったら誰よりも私が寂しいのだと思います。