「ウルトラマンA」
脚本 市川森一ほか
主演 高峰圭二、星光子
男女合体変身で有名な、ウルトラシリーズ第5作。地球の生物に宇宙生物を混ぜ合わせて作られた、怪獣よりも強い超獣を使って地球侵略を狙うヤプールと戦う、TACとウルトラマンAの活躍を描きます。
リアルタイムで見た記憶があるのは、この作品の一つ前、「帰ってきたウルトラマン」あたりからになりますが、概してこの年代の特撮は、評価が低い。
でも、僕という人間の核を形作っているのは、正にこの年代の特撮やアニメや映画な訳で、無性にこの頃の作品を見直してみたい気分に駆られています。
で、見ました。全部。3ヶ月くらいかけて。
大変面白かったです。
改めて見た「A」の物語。それは、絶望の果ての、希望の再生の物語でした。
理不尽で残酷な現実。突如降って沸く不幸と災厄。でも、人間は、それを乗り越えて生きねばならない。
北斗と南自身もそうですが、この物語の登場人物は、多数が天涯孤独。ゲストキャラの設定は、親が亡くなって姉弟二人きりというのが定型的なパターンです。
でも、それを乗り越えて生きていく姿を、この物語は飽くことなく繰返し描いていきます。
ウルトラ兄弟の設定の導入や、「脱出」の台詞と共に戦闘機を街中に乗り捨てるTAC、男女合体変身、しかも放送途中の路線変更と、マイナスイメージで語られることの多い気がする今作ですが、もうすぐ50近い歳になって見直した目に写ったのは、意外なほど大人の視点に貫かれた、シビアな現状認識のドラマでした。
正直言います。メトロン星人Jr.とムルチの出てくる話(前後編)と、夕子が月に帰る話では、泣きました(;_;)。他にもちらほらと。
年取って涙もろくなったのかなあ。
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