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「実録 アヘン戦争」 陳 舜臣 著
「イギリスとアジア」 加藤 祐三 著
本棚に30年くらい放置されていた本。ともに、世界史上他に類を見ない、アヘン貿易を原因とする恥ずべき戦争を取り上げた二冊です。
左は中国の立場から、滅びつつあった清王朝の愚昧な前時代的体質と、その中でも懸命に努力した人々の姿を描きます。
右はイギリスの立場から、本の後半部分のかなりを割いて、植民地支配の体制としてのイギリス-インド-中国の、アヘン三角貿易の構造をさらけ出します。
近頃流行りの「大義ある戦争」論など、アホらしいと言わざるを得ない。こんな戦争でも、大英帝国はその威信をかけて戦ったのです。アジアへの差別意識丸出しで。でも、当時は、立派な大義があったのです。
現代の戦争がこれよりマシだと、果たして言えるのでしょうか。
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