年を越してしまいましたが、昨年最後のウオーキングレポートです。
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2020年12月27日(日)〈午前〉
9月に入手した西武鉄道内を1日乗降自由のフリーきっぷ「ありがとう!としまえん」
の使用期限が12月末までなので、これを利用してコロナ渦には縁遠いと思われる秩父へ
と出かけた。
西武秩父線の終点、西武秩父駅に9時48分に着く。本来なら、この電車は秩父鉄道に
乗り入れて三峰口駅行きなのだが、新型コロナウィルスの感染拡大で短縮されていた。
近くの秩父鉄道御花畑駅(芝桜駅)から10時15分発下り電車に乗る。
終点の三峰口駅には、乗り入れダイヤより20分遅い10時37分に着いた。
10時47分に駅を出て、西へ200mほどで荒川に架かる白川橋を渡る。橋から眺め
る上流は狭いV字谷だが、下流は少し開けた河岸段丘になっている。
ここは秩父山地と秩父盆地との境で、上流側は約2億年~1.5億年前の「秩父帯」と
呼ぶ固い地層で、下流側は約1700万~1500万年前に「古秩父湾(こちちぶわん)」
の海底に堆積した柔らかい地層が広がっているのだという。
橋の下流側に、左岸から右岸へと細い吊り橋と駕籠のようなものが架かり、その向こう
に日本二百名山の武甲山(1304m)が望まれる。
橋を渡ったすぐ先のT字路で国道140号線・秩父往還(彩甲斐(さいかい)街道)に
入り、すぐ先の歩道橋際へ。
白川橋から見えた吊り橋はこの横にある「秩父ジオグラビティパーク」と呼ばれるもの
で、荒川渓谷の雄大な自然の中でスリル満点のアクティビティを楽しむことができるとい
う民間施設のよう。
利用者は専用のハーネス(安全帯)を着用した上で、ワイヤー等に接続された安全な状
態で楽しめるものとか。
例えば「キャニオンウォーク」というメニューでは、旧白川橋の橋脚を使用して架けら
れた高さ約50m、長さ約100mの吊り橋を、ハーネスを付けて渡るアクティビティで、
渓谷を使った同様の施設は日本で最初という。
そばの建物が受付になっていて、橋脚際では利用者が担当の人に説明を受けていた。
今日来た目的地は、この先、贄川宿(にえかわじゅく)の「かかしの里」めぐりである。
最初のかかしは、このジオグラビティパークの入口際で迎えてくれた。
橋を渡ったY字路際には3体のかかしが立ち、その下に旧白川村の道路元標がある。
すぐ先、贄川宿の標柱際にも女性かかしが立ち、そばに贄川宿の説明パネルがある。
斜向かいにある贄川宿観光トイレの横から、秩父御岳山登山口への道が左へ回り込んで
いるが、トイレと道路際でもかかしが迎えてくれた。
近くの門松を飾り終えた家では、これから洗濯しようというかかしも。
公会堂の門番かかし。
さらに贄川宿の家並みを進むと、それぞれの家にも。
数え切れないほどのナンテンの実。
「贄川宿ギャラリー」があったので入ってみた。
たくさんの木彫りの人形や民具、以前行われていた縁側展の看板、古い日用品やおもち
ゃなどたくさんの展示が店いっぱい。
「贄川宿かかしの里 歩くガイドマップ」があったので、ひとつもらう。
ガイドマップによれば、「蜷川宿はかつて三峰神社や甲州への街道の宿場として栄え、
平賀源内やナウマン象で有名なナウマン博士などが逗留した宿も残っている」とか。
かかしについては、「2016年から地元の主婦達が鳥獣害対策と自分たちのコミュニ
ケーションの場として始め、古着などを利用して廃物利用で作ったかかしは思いのほか評
判を呼び大変嬉しく思っている」とのこと。
なお、集落の現在の住民35世帯79人に対し、かかしは住民より多い約100体ある
という。
ギャラリー周辺の民家の前でも、次々にかかしが迎えてくれる。
さらに進むと、どの家の前にもかかしさんが見られる。
この家の横には、数体のかかしが並んでいる。
次の三差路があり、その周辺の家々のどこにもかかしが。
三差路を北にすぐ、もう一つの三差路際には庚申塔とお地蔵さんが祭られていた。
庚申塔は、秩父三十四ヶ所霊場の巡礼者や旅人の道中安全を祈ってこの先600mほど
の山道に享保13(1728)年に建立したよう。
その上のお地蔵さんは「御堂鐘(みどうがね)地蔵」と呼ばれ、宝暦7(1757)年に
建立され、地元民はもとより近隣近郊の人や旅人が「地蔵十福」を祈願したという。
その後の交通発展に伴い古い山あいの巡礼道は廃れてきたので、平成7(1995)年
に庚申塔もこの地に遷座したようだ。
この三差路を右に上がると西小があるようだが民家なさそうなので、左手の道を北に向
かって少しずつ上がる。
両側の斜面にも、畑を耕すかかしとそばの流れで釣りをするかかしなどが。
もう一つ左に分ける里道があり、その先のT字路付近で民家は終わる。そばの広場から
は東に武甲山(左)から小持山、大持山ヘと延びる奥武蔵の稜線が望まれた。
右手上に鳥居が見えたので上がってみた。秩父の山里らしい素朴なたたずまいの諏訪神
社だった。
境内は広くはないが伊勢神宮、稲荷神社、天満宮、秋葉神社など6つの摂社が一つの屋
根下に並ぶ。
そばの梅林の下にスイセンが咲き出し、近くのミカンが色づいた実を。
中ほどの里道を西に進む。1戸の民家の先で家は途切れて南面の展望が開け、右手の
「かかし広場」と呼ぶ芝生地に、生活感あふれるたくさんのかかしが並んでいた。
道路の反対側には、武甲山などを眺める旅人らしいペアかかしなども。
ここからもう一度、東方の武甲山から大持山へと伸びる稜線などを眺める。
すぐ先に秩父御岳山の登山口があり、道は左へと回り込んで下って行くと東北東の山麓
には近くの反平集落らしい家並みも望まれた。
下ったところは最初の贄川宿観光トイレ際だった。
往路を戻って荒川の白川橋を渡る。下流に架かった吊り橋には、「秩父ジオグラビティ
パーク」でのキャニオンウォークを楽しんでいるらしい人が何人か見える。
白川橋を渡り終えてふり返る(国道140号線は向こうの山麓を走っている)。(続く)
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現在の人口は、かかしより少ないと知りましたが、並ぶ家並みからは想像できません。
私は秩父が好きで何度も歩きました。
家を囲む板これ見ていると幼少の頃の甲府の家々
思い起こしました。
車で国道140号で生まれ故郷甲府まで景色楽しんだことあります。