2013年1~2月
早くも2013年が開けた~去年の内に完成できなかった観音様に手を着けた
残しておいた細部の空間彫り~
衣が腕から垂れて、体との隙間の空間彫り
空間彫りは狭くて、欠けやすくて面倒な作業ではあるが、立体感を出せる所でもある
人物は、顔の目鼻口があるため苦手でもある~
他の部分はどうでもごまかせるが、目・鼻・口とかはおかしいと、誰が見てもオカシイので、ウソがつけない
そもそも、仏像の世界には、『三十二相八十種好(さんじゅうにそうはちじっしゅこう)』と言って、仏の身体に備わっている特徴が決められており、見てすぐに分かる三十二相と、微細な特徴である八十種好があると言われているが、全てを再現する技術は僕には無い
彫刻刀を使って、細心の彫りとなる
年越しでしまい込んでいる間の乾燥で、左頬にひびが入ってきた
観音様は実はお洒落でもある~
いろいろな装飾品を付けているので、彫る人は大変
小さな玉はすぐに欠けやすいので、変にこねたらポロッと欠ける
指の仕上げ彫り~本当は指の間にある水掻きみたいな『手足縵網相:てあしまんもうそう』を残すはずだったが、この小ささでは無理と、諦めた~『縵網相』とは、救済を求める人々を最大も漏らさずにすくいあげる水掻きの事
後ろから、足のアキレス腱を彫る
だいたい細部が終わったので、台座の模様に移った~良く見る台座は蓮華座(れんげざ)だが、今回は、蓮の葉とかではなく、農産物の豊饒を祈念した~果実の台座(世の中に一つしかない)ちなみに、桃・栗・柿・梨を4面に配した
頭には必ず冠を被っているのが泣かせモノ
冠の中に小さな仏像とか良く彫られているが、それは難しいので、花びら模様(蓮の花が満開のつもり)
髪はどうしようかとも迷ったが、ラシサを出すために、細い溝で表した~もみあげ部分
垂直に垂れる部分
~耳たぶ(耳朶)の穴を開ける~耳朶環状と言い、救済の声を漏らさず聞き取るという意味で、仏像の耳は大げさすぎるほど耳が大きい
頭頂部への髪の盛り上げ~
ふさふさで、うらやましい限り
今日一日、天気は最高の中で製作が出来た~夕日の中で今日の出来を鑑賞
翌日2月3日。今日は完成させるぞと、朝8時から作業開始~霜が降りていて寒い
今日は、磨きに入った
サンドペーパーで磨く~空間彫り部分は、帯状に通してゴシゴシ
朝日の陰を利用して、顔の頬骨具合を削って微調整
実は、この観音様は最初から問題を抱えていた
柱からの切り出しは、完全水平切り出しでは無かったので、前向きに少し傾いていたのだ
ベルトサンダーを使って、まっすぐに立てるよう綺麗に削った
最後の彫り:彫り完成の日付とサイン入れ
いよいよ塗装開始
仏の体色は金色相(こんじきそう)と言われ、身体手足全て黄金色に輝いているというのが、約束ではあるが、金粉を塗るわけにも行かず、光沢ニスを塗った
窪みが多いため、念入りにニスを塗った
9月から彫り始めた観音様がやっと完成~休み休みなので、5ヶ月もかかった
捨てられ、灰になるはずだった木材から、こんなのが出現しました~
『内なる目:第3の目:松果眼:アジーナ』とも称されるチャクラ~からニスがプク~ット膨れ上がり、第3の目が出来ました(笑)
さて、農作物の豊饒のご利益があるでしょうか
次は何を彫ろうかな
小さいと苦労するので、もう少し大きいものに挑戦したいです~
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