今回は寄贈していただいた本を紹介します。
拙宅に届いた本は……。
『序文検索 2箇目 序文跋文あれこれ』かわじ もとたか 編著 2014年7月15日 発行/杉並けやき出版
発売/星雲社 本体4500円+税
624ページの労作です。「古書目録にみた~」シリーズの第5弾で、2010年10月に発行した前著『序文検索 古書目録にみた序文家たち』の続編にあたるそうです。
著者の川地素崇さんは「最終回文庫」をガリ版やコピーで発行していた時の会員です。
会誌発行が46号で途絶えたのが1993年5月ですから、それから21年!も経つのに、こうして忘れずにお贈り頂けるのは、とても嬉しいことです。
本と一緒にお手紙をいただきましたが、私より2つ歳上の方でした。会員組織の時に知っていたのは、「住所・氏名・蒐集分野」だけでしたから、年齢は把握していませんでした。本冊をもって最後になさるそうです。
本書は書名に「検索」と入っているのに、624ページもあるのに、巻末に「索引」というものがありません。著者名のアイウエオ順にも並んでいません。目次を見ると、古書展の販売目録で目にした事のある著者名が躍っています。本文では書名の後に古書目録から拾い上げた販売価格が「800~2000」というように書き添えられています。もちろんその値段で今も手に入るわけではないものもあれば、今は値崩れしているものもあるけれども、それにしても、多くの古書目録から拾い上げていく、気が遠くなるような作業が繰り返されているのです。
この本の著者の川地さんが、本書の冒頭「はじめに」で「昔の古本屋の棚に似せた」とおっしゃるように、これは古本屋のガタつく硝子戸を開けて、足を踏み入れたところの棚から順に背文字を追っていくが如く、頭からか開いたところからかは好きにして、とにかく読み始めて、興味の湧かない所は飛ばしていけば良いということなんでしょう。
どんな本かと尋ねられても、ひとことで表現できません。検索という書名に惑わされてしまいますが、「引く」のではなく「よむ」本で、著者の付箋があちこちに付けられている……そう表現しただけではまだ足りない感じがします。
興味が湧いた方は、AMAZONで著者名のひらがな表記「かわじ もとたか」で検索してください。
これまでに出版した5冊のうちの3冊がヒットしました。
本書は「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です。」と表示されますが、
以下の3冊は新刊もしくはマーケットプレイスで古本として入手可能です。
★『古書目録にみた「すごろく」』(2003年)
『装丁家で探す本―古書目録にみた装丁家たち』(2007年)
★『序文検索―古書目録にみた序文家たち』(2010年)
日本の古本屋(http://www.kosho.or.jp/top.do)のサイトでも著者名をひらがなで検索すると、
上記のうち★を付けた2冊と、最初に出版された『追悼號書目―古書目録にみた追悼號書誌―』(1991年)が出てきました。
いずれも古書ですから、売り切れてヒットしなくてもご容赦ください。
(2014年7月24日現在)