夜、女房と交代でお産の監視をしているのですが、昨夜の午前2時10分に、急に「バサー」という音で目を覚まし画面を見ると、ルレシャンテが壁に尻を付けて立っていた。
これは破水だろうと、すぐに着替えて様子を窺っていた。
ところが一向に動きが無い、そのうちに草を食べだした。
なんだ、バケツの水を撒かしただけだったのだろうと思います。
朝になって、乳を見ると大きな乳ヤニが乾ていたので、今夜になるだろうと放牧に出した。
8時から9時まで、育成厩舎の仕事を終わらせて帰ってきて、放牧地を見ると、どうもお産のようだ。
カラスが寄って来ていた。
すぐに駆け付けると、既に後産も落ちていました。
行ってまもなく当歳は立ち上がった。
ここまでは良かったのですが、親がなかなか起きないし、起きてもチビが乳を飲めない。
早く乳を飲ませたいと、1時間くらい奮闘したが、厩舎に連れて行った方がかえって早いだろうと思い歩いて厩舎へ向かった。
順調に進んで、上り坂にかかったところで、母親が突然倒れて起き上がれない。
これは動脈破裂でも起こしているのではないかとの判断で、当歳だけ厩舎へ連れて行って、獣医さんに電話した。
まずは初乳を飲ませなければならないが、ストックが無い。
すぐに知人の牧場に頼んで分けてもらいに行く時に、獣医さんが到着したが、対応は女房に任せて取りに走った。
初乳をもらって来て、母親の処へ行くと、動けないものの立ち上がっていた。
獣医さんの所見は「産道に数か所傷があるので、脚の神経も損傷を受けたのだろうとのこと」「しばらくはこのまま動かさないで、歩けるようなら移動しても良い」との話でした。
ここで女房と交代して、女房が仔馬に初乳を与え、私は母親に付き添う。
だまって立ってはいられるようなので、入れ物を厩舎から取って来て、乳を搾る事にした。
搾った乳を女房に飲ませてもらっているうちに、ほんの少しづつルレが動けるようになってきた。
倒れてから1時間くらい経った11時半に、やっと歩いて厩舎へ戻って来ましたよ。
ここからが又問題。当歳が親の乳を巧く飲めない。
哺乳瓶で飲ませたせいもあり、ガムシャラに吸い付かないし、舌を巧く使えない事もあり苦労した。
試行錯誤の末に、午後2時になってやっと飲む事ができホッとしましたよ。
ここで、結果的に分けてもらった初乳の効果が大きくものをいうことになった。
初乳は時間の問題なのです。
夕方にビアンカリボンの直腸検査にきてくれた獣医さんに聞くと、母親は徐々に回復するだろうとの事。
ただ、今年の種付けは厳しいかもしれない。
仔馬はシャンハイボビーの牡馬です。今は元気いっぱいに跳ね回っていますよ。