制作・著作 木村プロダクション/小栗康平
宮本輝の小説を映画化した小栗康平監督「泥の河」(1981)のロケ地を探索。舞台は大阪、安治川の河口という設定であるが映画のロケは名古屋の中川運河で行われた。余談になるが大阪・安治川といえばNHKドラマ「匂いガラス」の舞台でもある。映画「泥の河」は昭和31年の設定そのままに白黒フィルムで撮影が行われた。話は小学3年生のうどん屋の息子“のぶちゃん”と宿舟(廓舟)の子供“きっちゃん”との切ない交流を描く。河に架かる橋のたもとにバラック小屋のうどん屋「なには食堂」があり、その対岸に宿舟が係留されたところから物語は始まる。映画はどのカット、台詞も洗練されていて無駄が無い。役者の無言のアップシーンで微妙な表情変化と感情の機微が汲み取れる。この映画は今まで観てきた映画のなかでもベスト3に入る。俳優マルセ太郎氏の映画再現芸として「スクリーンのない映画館」ではこの「泥の河」を完全再現されていた。
掲示画像は中川運河に架かる小栗橋のたもと。小さな公園にオープンセットで「なには食堂」が建てられた。食堂は二階建て。一階が食堂と厨房。二階は居間兼夫婦の寝室と息子信雄の部屋となる。映画撮影から既に34年が経過しており公園は綺麗に整備され道路にはガードレールや横断歩道が設置された。道路からは階段で公園に降りるがこの階段も同じ形状だが造り替えられていた。階段脇の小さなお堂はそのまま残っている。公園隅の橋側には映画撮影当初はなかった桜の木が植わりこれが大きく成長し枝を伸ばす。ロケーションへは名古屋駅からあおなみ線(名古屋臨海高速鉄道)で一駅、ささしまライブ駅で降り、徒歩10分ほど。
映画「泥の河」FULL動画
泥の河 ロケ地探索 その2
泥の河 ロケ地探索 その3
泥の河 ロケ地探索 その4
泥の河 ロケ地探索 その5
泥の河 ロケ地探索 その6
総括
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