やさしい時間

「写真でブログ」タイトルを変更しました
何気ない日常を写真とともに綴ります

人として

2010年09月25日 | お仕事
ストレスは適度に必要だと習ったことがある。
どこにいても、何をしてもストレスはある。
ストレスを適度に感じながら生きる事に
人としての本来の生活がある。

人は二足歩行を始めた時から、
頭上からの重力というストレスを受けながら
生活するようになった。
だから、寝たきりでは生きられない。
せめて座位を保っていなければ
食事することも、排泄することも難しい。


介護の基本は、座位にすることから始まる。
いかに安定した座位保持ができるかで、
生活の質が変わる。
私はそう確信している。

だから、座位に拘る。
ギャッジアップでも良い、
車いすでも良い。

座位になると、目線が変わる。
誤嚥が格段に減る。
対する人の顔が分かる。
何を食べさせられているのか、
自分で確認することができる。
腹圧をかける事ができる。
痰の排出も座位にならないと難しい。

そうして、人らしい生活が始まる。


デイに来ると表情が違うと言われることがある。
寝かせきり状態の人でも、デイに来る時は車いすになる。
スタッフは彼らの目線に降りて、
挨拶し、語り、ケアをする。
トイレ介助、入浴、食事介助、、、
全てを人の手で、語りかけながら行い
そうすることで、自然に耐久力がアップする。
立ちあがらせ、保持するというストレスを与える事で、
下肢の筋肉はほんの少しずつでも鍛えられ、
他動的な運動から、自発的な運動へと
向上して行くと信じる。

顔を見ながら会話し、介助する時、
スタッフはいつも笑顔だ。
だから利用者さんも笑顔になる。
スタッフはそんなかすかな笑顔が嬉しくて
また笑顔になり、、、そんな連鎖で、
自然と表情が明るくなるのだ。

「ありがたい」と言ってくれる家族がいる。
だけど、本当はこちらが「ありがとう」と言いたい。
なぜなら、懸命にケアしても空しさが残ることもある介護現場で
笑顔や、身体機能の改善が見られたら、本当に嬉しいものだ。
この仕事をしていて良かったと思える。


利用者さんも、私たち看介護スタッフも、
それぞれのストレスと対峙しながら、
それを乗り越えた所で、
穏やかさや安心や笑顔があるのかもしれない。

単純にそんなことが嬉しくて、
在宅から離れられないのかもしれない。



~・~~・~~・~<おまけ>~・~~・~~・~










デイサービスのテラスに、可愛いお客様が来た。
小鳥用に用意している餌台には、
スズメばかりが来ていて、
テラスにスズメのために置いておいたお皿の方を
猫ちゃんが食べていた。
しかも、お母さんばっかり食べている。

お話しできない利用者さんも
スズメや子猫を興味深げに眺めている。


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2 コメント

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なるほど、そして可愛い (te-reo)
2010-09-26 22:59:18
今晩は。
座位の大切さ、なるほど、なるほどで
とても勉強になりました。 

オペラ座の怪人のような子猫ちゃん
母猫に遠慮して、いじらしく可愛い
ですね。 
返信する
オペラ座の怪人 (nashiko)
2010-09-27 01:48:14
te-reoさん、こんばんは。

何かに似てると思ったら、そうでしたか~!
母猫は手が不自由なようで、
自分でえさを確保できないのだと思います。
まだ、母乳を飲んでいる子猫ちゃんは
お母さんに沢山食べてもらったほうが良いのでしょうね。
人慣れしていないので、食べられないのもあるでしょうね。

この二日見かけないので心配しています。

座位の事は、偉そうに書いてしまいました。
全部、先輩からの受け売りです。
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