リツキシマブ(rituximab, RTX)はヒトCD20に対するマウス抗体の可変領域Fabとヒト定常領域Fcをキメラとして1991年に作成され、すでに30年近い歴史を持つ抗体製剤ですが、現在でも多くの疾患に対する有効性が示されている大ヒット商品の一つです。RTXの特徴はtype I antibodyであること、すなわち高い補体依存性細胞傷害(complement-dependent cytotoxicity, CDC)活性を有することです。この論文で著者らはRTXとCD20とのcomplexをクライオ電顕で解析し、CD20がdimerとして存在し、CD20 dimerに2分子のRTXが結合し、CD20をクロスリンクさせて環状構造を形成し、効率よく補体を活性化することを明らかにしました。このような特徴がRTXが未だに他の追随を許さない立ち位置をキープできている理由と思われます。
Science. 2020 Feb 20. pii: eaaz9356. doi: 10.1126/science.aaz9356. [Epub ahead of print]
Structure of CD20 in complex with the therapeutic monoclonal antibody rituximab.
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