○ルート及び時刻
登り 盤の沢林道入口9:40→林道終点10:30→西尾根11:20→頂上11:55(2:15)
下り 盤の沢林道入口13:30←林道終点13:00←南コル12:35←頂上12:20(1:10)
この山は函館市と合併前の恵山町との境界稜線上に位置する山で、恵山や海向山から見るとその存在が非常に気になる山である。以前からその稜線上の北に位置する毛無山とセットで計画していた山であったが、スタート時刻が遅かったので、この山だけを目指す。同名の山が襟裳にもあって、その山名の由来ははっきりしているが、こちらの山名の由来は不明である。
湯の川から道々41号函館恵山線の蛾眉野の集落を過ぎてまもなくすると盤の沢川の橋を渡ってすぐ左側に林道入口がある。入口から正面に目指す三枚岳が見える。林道をスキーで詰めて、尾根取り付きからかんじきに履き替える予定で、プラブーツにスキーを着けてスタートする。
取り付く予定であった頂上に繋がる標高点303経由尾根の末端の南斜面はすっかり雪が溶けてしまっている。仕方ないのでそのまま林道終点までスキーで詰めて、その尾根に繋がる派生尾根に取り付くことに計画変更する。距離的にはむしろ近いようである。道端の南斜面には今年初めて目にするフキノトウが咲いている。
地図上の林道終点(標高200m付近)にスキーをデポして、かんじきに履き替える。しかし、取り付く尾根を勘違いして急斜面を15分ほど登って間違いに気づく。スキーデポ地点まで戻り、303経由尾根の350m付近に繋がる細い急な尾根に取り付く。
10分ほどやぶを漕ぐと人工林の中に入り、幸いなことに作業道が尾根に向かって続いている。それを辿るとまもなく予定していた西尾根に合流する。さらに頂上方向に林道が延びているのでそれを利用して登っていくと、昨夜か今朝方のものと思われるクマの足跡が頂上方向から林道を下ってきて、沢の方へと続いている。その足跡が続く林道を辿り、途中からブナとダケカンバの疎林の広い西尾根を頂上目指して直登する。
2時間15分で頂上に到着。夏であれば三等三角点を見つけることができるのであろうが、頂上を示すものは何もない。しかし、快晴の下に360度の展望が広がる。特に東側には、これまで何度もその頂上からこちらを見ている恵山と海向山が、その北側に古部丸山、北側の稜線上には毛無山、そのはるか西側に横津岳と袴腰岳・・・・。南に目を向けると津軽海峡と下北半島・・・それらを眺めながら春の陽光を浴びて昼食タイムとする。
帰りは、稜線上を南コルまで下るとそのすぐ先からスキーをデポしてある地点まで下りることができる尾根が延びていて、その上に林道が見える。距離的には登りのルートよりは多少長いが、下りでもあり、同じルートを辿るよりは楽しいはずである。
下り始めてすぐに、右の沢から登ってきて稜線を越えて恵山側へ下っているクマの足跡に再び遭遇する。登りで見た足跡のクマが登り返して来たものであろう。かんじきで快調に下る。コルには無線中継施設が建っていてスノーモービルのトレースもあった。幅広い緩やかな尾根を下ると、沢を挟んで頂上と登った尾根が見える。途中から林道が現れ、それをそのまま辿ったらスキーデポ地点へ下り立つことができた。
スキーに履き替えてのんびり林道を下り、頂上からわずか1時間10分でゴールイン。気温が12度もあった。春の好天に誘われての急な思いつき登山であったが、気になっていた函館市内の山をひとつ増やすことができて大満足である。