癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

5/5、カムイ岳だけで撤退

2007年05月06日 | 登山・旅行
大嵐の朝、ラジオの天気予報を聞きながら、これからの予定を考える。

暴風雨の中、まず、エサオマンを諦めたUさんとKaさんと愛犬Ka君が下りてくる。次に、Yaさんと久しぶりのKoさんのコンビ、そして、2度ほど同行したことのあるメンバーが3人もいたHa山岳会の大所帯・・・その度にテントから顔を出し、懐かしい再会を楽しむ。それにしても、多くのこれまでの同行仲間が同じ山に入っていたものだ。みんなハードな山が好きなメンバーばかりだ。

予報によると、まもなく雨は上がるが風は強いままらしい。明日は好天らしいが崩れは早く、明後日は雨・・・結局、雨の上がるのを待ってカムイ岳をピストンして下山することに決定。

しかし、悔しさはあまりない。あの細いエサオマンのカール壁、10時間以上は必要な戸蔦別岳・・・高所恐怖症の自分にはナイフリッジが続く日高主稜線の雪稜歩きは緊張感との闘いである。おまけに風が強いときては、なおさらである。日高山脈主稜線上の地図に山名の掲載されている最後の未踏の山・カムイ岳に登れただけで大満足である。

幸い8:30頃には雨が上がり、ガスも取れ始めてくるが風は強いままだ。テントを撤収し、下山の用意をして、空身でカムイ岳をピストン。ガスで地形が読めなかったことと予想より近すぎたこともあり、さらに先のピークまで行ってしまうというおまけ付き。

10:50、テン場に戻り、ずっしりと重いリュックを背負う。雪山の下りは速くて膝への負担が少ないのが好きだ。踏み抜きで何度もの転倒は付きものだが・・・。

5時間半の登りを2時間半で下り、林道へ出る。デポしておいたスキーを履いて、16:00、くたくた状態でゴールイン。

車のワイパーにメモが挟まれている。先に下山したTaさんからの心温まる挨拶文であった。また、電波の通じるところに来ると、これまたうれしいUさんからの下山報告とこちらの行動を気遣うメールが入る。

同じように疲れているはずなのに他人へのこのような温かい心遣いがうれしい。そんな感激に癒されて、新嵐山荘(画像)まで車を走らせる。

風呂に入り、駐車場で泊まることにして、ビールを2杯飲む・・・美味い!至福の極みである。早々に車の中へ・・・19:00から翌朝4:00まで9時間も一度も目が覚めずに爆睡。

携帯からこの2日分のブログを打って、帰路に就く。


5/4、カムイJPまで

2007年05月06日 | 登山・旅行
5/4、5:10、トッタベツヒュッテ前スキーで出発。7:40、北東尾根取り付き地点到着。スキーデポ。今日のゴールのカムイJPまで標高差1000mの登りだ。1400付近まで急登が続く。

久しぶりの縦走装備に身体があえぐ。登るに連れて、左手に深い沢を挟んで、まだ真っ白な札内岳(画像)とエサオマントッタベツ岳、右手には妙敷山~北戸蔦岳までの稜線の山々が見えてくる。それらの展望を楽しみながら、時間的余裕があるので休み休みゆっくり登る。

1485ピークを越えると、テントがぽつぽつと立っているが、どれも空である。左手に見える北カールの大きさに圧倒されながら、13:30、カムイJPに到着。

JPの直ぐ下のカムイ岳寄りのコルをテン場に決める。雪を掘って周りにブロックを積み上げてテントを張り終えたら15:00を過ぎていた。

そこへエサオマンを越えて札内JPまでピストンして来たというganさんが下りて来る。風が強くて、カール壁の細いところは彼でも怖かったという。3時間もあれば行けるだろうとのこと。そこへ戸蔦別から戻ってきた単独の男性。往復で10時間要したという。やはり風とアップダウンがきつかったそうだ。

暖かい強風が積み上げたブロックをどんどん溶かして行く。それを直しているところへ二人連れの戸蔦別から戻って来たTaさん。久しぶりの再会だ。UさんたちもYaさんたちも戻ってきて、上にテントを張っているそうだ。

テントの中に落ち着いたが、ブロックが溶けてきて北西の風がようしゃなくテントを襲う。その内に雨と雷までの大嵐。テントの支柱が折れないことを祈りながら一睡もできずに朝を迎える。